米国家安全保障局(NSA)はGoogleとYahooの世界中のデータセンターを結ぶプライベート光ファイバネットワークに秘密裏にアクセスしており、両社のサービス利用者のメタデータやコンテンツを「思いのままに」入手できるという。The Washington Postが報じた。
英国の諜報機関である政府通信本部(Government Communications Headquarters:GCHQ)との共同プロジェクトで「MUSCULAR」と呼ばれるプログラムの下、NSAは海外でのアクセスによって、地理的に分散されたGoogleとYahooのデータ「クラウド」(ここにはユーザーデータの複数のコピーが暗号化されていない状態で保存されている)間を流れるデータを傍受している、と同紙は報じた。同記事は、NSAの元契約職員であるEdward Snowden氏と匿名の「事情通の関係者」がリークした文書を引用している。
そうしたデータには、例えば、「Gmail」アカウントや「Google Drive」ファイル内の情報が含まれる可能性がある。
Googleは同紙に宛てた声明の中で、「われわれは、政府が当社データセンター間を流れるトラフィックを傍受しているとの主張に戸惑っている。そのような活動が行われていることは承知していない」と述べた。
Yahooは同紙に対して、「われわれは厳格な管理体制を敷いて、自社のデータセンターのセキュリティを保護している。NSAやそのほかのいかなる政府機関にも当社データセンターへのアクセスを許可したことはない」と述べた。
同紙は、「ホワイトハウス関係者と、NSAを監督する米国家情報長官室は、NSAが海外でGoogleとYahooのネットワークに侵入しているとの主張について肯定も否定もせず、理由を説明することもしなかった」と報じている。
NSAは以下の声明を出した。
NSAは複数の権限を有しており、自らの使命を果たすためにそれを行使する。われわれの使命の中心にあるのは、国家を守ることだ。われわれが大統領命令12333号の下で情報を収集することで、外国情報監視法と外国諜報活動偵察法702条で定められた制限を回避しているとのThe Washington Postの主張は誤りだ。われわれがこうした収集方法によって、米国民のデータを大量に収集しているとの主張も誤りだ。NSAは司法長官によって認められた手順を適用して、米国民のプライバシーを保護することで、NSAによる標的設定、収集、処理、利用、保持、および拡散で米国民の情報が対象になる可能性を最小化している。NSAは外国諜報機関だ。そして、われわれは妥当な外国諜報活動対象者のみについて、情報の発見と開発を行っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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