ドイツ発の新たな報道によると、米国家安全保障局(NSA)と米中央情報局(CIA)は共同でドイツ政府関係者の通話を盗聴していたという。
ドイツのニュース誌Der Spiegelが現地時間10月27日に報じたところによると、米国はベルリンの米大使館を「諜報活動拠点」として利用しており、ここから米国の2大諜報機関であるNSAとCIAは、Angela Merkel首相の通話を含むドイツ政府庁舎一帯の携帯電話の通話を盗聴しているという。
NSAの元契約職員Edward Snowden氏がリークした文書を調査し、複数の情報機関職員に取材したDer Spiegelによると、NSAとCIAは現時点でドイツ当局者に対する諜報活動を認めていないものの、ベルリンで展開している「Special Collection Service」(SCS:特殊収集活動)で協力しているという。Der Spiegelによると、SCSは全世界80カ所に拠点を持ち、このうち19カ所は欧州にあるという。SCSの諜報員は外交官の身分を持ち、活動する国々で特権が与えられるが、実際には諜報活動に従事しているとDer Spiegelは伝えている。
諜報活動が行われていたと疑われる正確な時期は少々あいまいだが、Der Spiegelの調査によると、SCSはGeorge W. Bush元米大統領の下でドイツの通信の傍受を開始したという。この活動はその後Barack Obama政権でも承認されたとDer Spiegelは報じている。
ただし、NSAとCIAにとってドイツは数多い標的のうちの1つにすぎないと考えられている。The Atlantic Wireによると、スペインのEl Mundo紙は27日、NSAが30日間にスペインでの通話6000万件のデータを収集していたと報じたという。この情報はSnowden氏がリークした文書から明らかになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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