アジア全域のカバーを目指すレンタカー比較・予約サイト「Drive.SG」

 この連載では、シンガポール在住のライターが東南アジア域内で注目を集めるスタートアップ企業を現地で取材。企業の姿を通して、東南アジアにおけるIT市場の今を伝える。これまでと同様に、シンガポール国立大学(NUS)が運営するインキュベーション事業「NUS Enterprise」の支援を受けるスタートアップ企業の中から、同事業のメンターが推薦する企業を取り上げる。

  • 「Drive.SG」のCo-founderであるAdrian LEE氏

 今回紹介するのは、レンタカーの比較・予約サイト「Drive.SG」だ。シンガポール国内30社のレンタカーパートナーの在庫状況、価格などの条件をPCやスマートフォンのブラウザ、iOSアプリAndroidアプリで検索・比較し、そのまま予約できる。前回紹介した「iCarsClub」がCtoCのカーシェアリングサービスなのに対して、Drive.SGはBtoBtoCのサービスだ。

国内30社のパートナーと連携、1カ月につき2000日分の予約

 Drive.SGは、Co-founderのAdrian LEE氏をはじめ、NUSの卒業生によって2011年11月に起ち上げられた。当時、プライベートで車で出かけることが好きだったLEE氏が、レンタカーを借りるために、1軒1軒に電話で問い合わせる苦労を経験したことがアイデアの着想につながった。同様のコンセプトを持ったウェブサービスはそれまでなかったそうだ。

  • 「Drive.SG」のPCサイト

 Drive.SGにはシンガポール国内30社のレンタカーパートナーが登録されており、1カ月につき2000日分の予約が行われているという。Adrian氏は起業当初、ここまで多くのパートナーや利用者に使ってもらえるとは思っていなかったが、サービスの品質向上に努めた結果、ロイヤルカスタマーのクチコミによってサービスが広がっていったのだという。

 Drive.SGを利用するには、まず会員登録が必要。携帯電話番号、生年月日、運転免許の形態(ローカルか国際免許か)、パスポート番号、AT/MT、免許発行日を入力する。その後、メールでアクティベーション(会員情報の有効か)をする。

 車を借りたいときは、まず借りる日、返却する日を選択する。すると、その期間にレンタル可能な車種が一覧化される。車の画像、AT/MT、排気量、最低価格(複数の店舗を比較したときの最安値)が表示されるので車種を選択する。

  • 会員登録

  • 検索

  • 車種選択

 続いて、その車種の在庫があるレンタルショップの一覧が表示される。車の画像、1日あたりの価格、店舗の住所の情報を見て選ぶ。詳細のページには、追加料金などに関する詳細が表示されるので内容を確認。レンタルショップの一覧ページで「Book」をタップし、契約条件を確認して「Confirm」で予約完了だ。

  • ショップ一覧

  • 貸し出しの詳細

  • 予約

 レンタルのほか、代行運転の予約も可能。また、期間限定のプロモーションも実施している。取材時には、10月15日にあるイスラム教の宗教的な祝日ハリ・ラヤ・ハジ(メッカ巡礼祭)に合わせたプロモーションが行われていた。

  • 代行運転

  • プロモーション

前期比5倍の売上げ見込む。日本を含む各国との協議を開始

 Drive.SGの主な収益源は、レンタルパートナーからのソフトウェア受託開発。社内にエンジニアを抱えていない小規模なパートナーを中心に、各社の在庫検索、予約、決済のためのサイトを開発している。また、顧客の目に触れやすくするためのDrive.SG内でのSEO対策の受託や、一部のパートナーとはDrive.SGで発生した収益のシェア(Drive.SGが得る配分は10数~30%)をしているという。

 短期的にはシンガポール国内の居住者や旅行者をターゲットとし、1時間程度の短期なものから、数カ月の長期レンタルまで幅広く対応したいとしている。2013年内の目標は、現在の2倍にあたる60社のパートナーと提携することだ。この目標を達成すれば国内レンタカー会社の4割超をカバーすることになる。売上も2013年12月期は前期比で5倍に拡大すると見込んでいる。

 中期的にはバスやタクシーなどの他の交通手段や、カーシェアリングの領域も視野に入れる。また、シンガポール国外のアジア全域でのサービス提供も目指しており、日本を含め域内各国のレンタカーパートナーとの協議も進めているという。

 シンガポールでは、車本体やCOE(Certificate of Entitlement:車両購入権)の価格の高騰や、車を所有することへの若者の価値観の変化が起こっているほか、自動車ローンの規制も厳格化されている。iCarsClubと同様に、アジアでの車の所有や使い方に変化をもたらすことができるのか注目したい。

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