Appleが米国時間10月22日に開催したライブイベントで、「iWork」と「iLife」のユーザーはうれしい発表を聞くことになった。同社によるこれらの生産性アプリおよびライフスタイルアプリのメジャーアップデートバージョンが、無償で入手できるようになったのだ。
Appleのモバイルプラットフォーム「iOS」の新バージョンが9月にリリースされたことに続くこの動きは、同社の有償ソフトウェアの多くを無償で提供するためのより幅広い取り組みの一環である。
しかし、Apple製品を長年使用してきた一部のユーザーによると、これらアプリの新バージョンは機能面で1歩後退しているという。多くのユーザーがAppleの公式サポートフォーラムでその不満を表明している。
Appleのワープロアプリ「Pages」の新バージョンに欠けている機能としてユーザーが挙げているものには、カスタマイズ可能なツールバーや、巻末注、数多くのテンプレートがある。またAppleはMicrosoft製品からの乗り換えを促すために、iWorkアプリと「Microsoft Office」アプリの機能互換表(「Microsoft Word」からPagesや、「Microsoft PowerPoint」から「Keynote」など)を自社ウェブサイトに掲載していたが、現在ではその掲載を取りやめている。
Appleは、今後のアップデートでこれらの機能が復活するのかという質問には答えなかった。
こうした変更の理由は明らかだ。Appleによるソフトウェアのこのような大改定は常に、簡素化という名のもとに実施される。iWorkとiLifeの新バージョンは、iOS版の同アプリとの操作感を統合する方向で設計されている。こうした変更は、Appleが最近追加した共有機能に目を向けると納得がいく。ユーザーは新たな共有機能を用いることで、例えば「iPad」で作業を開始した後、「MacBook」などのデバイスでその作業を継続できるようになる。しかし同社のデバイスすべての間での一貫性を追求した結果、一部の機能は姿を消すことになった。
Appleが22日に一連の無償ソフトウェアのアップデートを発表した際、この動きの目的はソフトウェアを軸にしたハードウェア販売の促進にあると考えた人もいた。しかし、新たな「Mac」ユーザーに対するiWorkの無償提供には、Microsoft(そして同社の由緒ある有償ソフトウェアスイート、Microsoft Office)に対抗し、Appleのサービスにユーザーを呼び込むための低リスクの戦術という側面もある。
幸いにも、旧バージョンのアプリを所有しているユーザーはそれを使い続けることができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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