サムスン電子の子会社であるサムスンディスプレイは、「Gorilla Glass」を製造するCorningとの間でモバイル市場に衝撃を与える可能性のある取引に合意した。
米国時間10月22日に発表されたこの取引の一環として、サムスンディスプレイは、両社の合弁会社の株式の同社保有分である43%を譲渡する。サムスンコーニングプレシジョンマテリアルズという社名のこの合弁会社は、韓国で液晶ガラスを製造している。これと引き換えに、サムスンはCorningにおける19億ドル相当の転換権付き優先株を取得し、これとは別に4億ドルを出資してさらなる株式を取得する。これらの株式が転換された場合(その可能性は高い)、サムスンはCorning株式の7.4%を保有することになる。
サムスンとCorningは、1970年代のブラウン管(CRT)に関する提携に始まり、ディスプレイ事業において長期にわたって関係を構築してきた。Corningは、新しい関係の性質について全く詳細を明かさなかったが、今回の合意によって、「戦略的な製品開発と商業化への取り組みにおける協調関係」が向上することになると述べた。
それでも、そこには単純な提携以上の意味があるのかもしれない。サムスン最大の競合企業であるAppleを含む複数の大手企業が、自社のディスプレイにおけるニーズに対応するためにCorningの技術に頼っている。サムスンがCorningのパートナーになり、両社が共同で新技術を提供することになれば、サムスンの競合企業らはCorningの製品の使用にしばられることになる可能性がある。一方、サムスンは、競合企業の製品の販売によっていくらかの収益を上げることになる。
Corningは、取引条件成立後、サムスンとの取引が2014年第1四半期に完了すると見込んでいる。すべてがうまくいけば、Corningとサムスンは、液晶ディスプレイガラスの供給に関する2023年までの提携についても契約を交わす予定だ。こちらの契約については、それ以上の詳細は公表されていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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