10月18日金曜日の午後、異動対象となった社員は社外の東京・渋谷のレンタルスペースに集められた。そこで人事部から、11月1日付けの辞令で、カスタマーセンターへ異動するようにという旨の内示を受けたという。そして、会見等で利用していた社内のセミナールームを急きょカスタマーサービス専用の部屋として運用するという発表もなされた。対象の社員らはその日は社内に戻らず直帰していいということになっていたが、その夜になっておかしなことが起きたという。
ミクシィでは、社外からイントラネットにアクセスするためにVPNを利用している。しかし、異動対象となった社員のアカウントでのVPN接続が同日の夜以降できなくなった。つまりこれまで利用していたアカウントが削除されたというのだ。そして週が明けた10月21日、出社と同時にセミナールームに自分のデスクにある荷物などを運び込むよう指示。そして、カスタマーサポートのトレーニングを実施するとされ、セミナールーム内での業務を命じた。また、こうした一連の動きについてイントラネット上では、人事部長名義で「あくまで人事異動であり、特別な説明をする予定はない」といった旨の説明がなされたという。
こうした動きについて関係者からは、「突然大幅な席替えがあったが、誰も全貌が分かっていないようだ」「うがった見方をすれば、自己都合での退職を狙った実質的なリストラではないか」といった声が聞こえてくる。ただ、怪文書にあった「ネットの繋がらない部屋へ移動」といった事実はない。厳密にはネットワークには繋がるが、これまでアクセスできたイントラネットにのみ接続できない状況だという。ミクシィではイントラネット上で社内規則やさまなざま情報を掲載している。これまで正社員であれば閲覧できた情報が閲覧できない状態になっているという。
赤字となった業績を回復させるためには、思い切ったリストラ策も必要だろうが、果たして今回の騒動は、人事異動という名を借りた人員整理なのだろうか。関係者の1人は、一連の動きに対して「ミクシィは本来、個人のキャリア形成を尊重していた会社だったはずだ…」と、漏らした。
この件に関して、ミクシィに聞くと「リストラ(人員整理)の事実はない」とした。また、経営陣の判断で複数部署からカスタマーサービスへの人事異動を実施したことは事実であるとしたうえで、「ミクシィでは適宜組織変更をしており、11月1日にも大規模な組織変更を実施する予定。250名を超える人員に対して適材適所の部署異動をする」と説明。イントラネットのアクセス権については、「新部署での業務に応じて付与している」とした。
10月23日、偶然にもミクシィ創業者で、現在は取締役会長を務める笠原健治氏と会う機会を得た。そこでこの件に対して笠原氏に尋ねたところ、「広報を通して欲しい」とだけコメント。今回の人事異動のやり方の是非についても聞いたが、無言だった。
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