Appleは米国家安全保障局(NSA)による監視問題を受けて、ユーザーの「iMessage」を読むことはできないと繰り返し述べてきた。しかし、新たな研究結果から、iMessageの解読は論理的に可能なことが分かった。
セキュリティ企業のQuarksLabは米国時間10月17日、ハッカーあるいはApple自身によるiMessageへのアクセスを可能にする手法について解説したホワイトペーパーを公表した。このホワイトペーパーには、送信者と受信者の間でやりとりされるメッセージをAppleが傍受することも、通信のセキュリティが確保されていると見せかけることも可能であると記されている。ただし、Appleがそうしたことを実行するには、通信の暗号化を解除し、iMessageの仕組みを事実上変更する必要がある。
Appleは6月、NSAに関する盗聴問題が明るみに出たことを受けて同社サイトに声明を発表し、「顧客のプライバシーに対する義務」について述べた。Appleはこのとき、iMessageのセキュリティは完全に保護されているとしていた。
Appleは6月、「iMessageと『FaceTime』上で行われる会話の内容はエンドツーエンドの暗号化によって保護されており、したがって、送信者と受信者以外、誰もその内容を目にしたり、読んだりすることはできない」と記し、さらに次のように述べている。「Appleがデータの内容を解読することはできない。同様に、顧客の場所、『Maps』検索、『Siri』に対する問いかけに関連するデータを、どのような識別可能な形式でも保存することはない」
Appleの広報担当者のTrudy Muller氏は、新たな研究結果を受けてAll Things Digitalに声明を寄せ、AppleはiMessageへのアクセスを実現するために複雑な手順を踏まなければならず、そのようなことをしたいとは思っていないと述べた。
「今回の研究結果で述べられているのは理論上の脆弱性であり、Appleがそれを利用するためにはiMessageシステムの再構築が必要になる。Appleには、そうしたことを実行する計画や意向はない」とTrudy Muller氏はAll Things Digitalに述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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