Facebookが街だとすると、Twitterは街の広場でしかないが、Twitterはそれ以上の存在になりたいと考えている。
だが、それは可能だろうか。
Facebookが2012年5月に新規株式公開(IPO)を実施したときの月間アクティブユーザー数は、8億4500万人だった。Twitter(IPO実施時のFacebookより約1年若い)のユーザー数は、その約4分の1の2億1500万人だ。Facebookユーザーの約半分は、モバイルデバイスから同ソーシャルネットワークにアクセスしていた。Twitterでは、その割合は75%だ。両社の評価額の差も顕著である。Twitterの通年売上高は、IPO実施時のFacebookの約13%になる見通し。当時Facebookは1000億ドルの価値がある企業とされていたが、先ごろ同社の時価総額が1000億ドルを突破した。一方、Twitterの評価額は100億ドル程度になる見込みだ。
このデータは、FacebookとTwitterが異なる規模で運営されていることを如実に示している。そのことから、ユーザーがそれぞれ異なる理由でFacebookとTwitterに魅力を感じていることがうかがえる。
Facebookは脈動するデジタル都市のようなものだ。バーチャルな高層マンションや家屋で構成される巨大なコミュニティーで、地球上の7人に1人がそこで暮らしている。10億人以上のFacebookユーザーがそのネットワーク内でキュレーションを行い、自分のオンラインアイデンティティを管理する。そして、膨大な数の写真、リンク、「Like」、チャット、自分の生活のさまざまな瞬間を共有している。
Twitterは、どちらかというと街の広場のようなものだ。そこに集う人々は(Facebookの居住者も混じっているだろうが)、140文字以内という制限の中で凝縮して表現したツイートによって、最新のニュースや実況放送、ゴシップをリアルタイムで共有する。両社には通信を民主化するという使命がある。Twitterは自らの使命を次のように説明している。
Twitterは、公の場での自己表現と会話をリアルタイムで行うためのグローバルプラットフォームだ。人々がコンテンツを作成、配布、発見する全く新しい方法を開発することで、当社はコンテンツの作成と配布を民主化し、あらゆる人の声が即座に、そのままの状態で世界中に響き渡るようにした。
Facebookも同様に、公の場での表現、コンテンツ発見、共有を一変させるプラットフォームだと説明している。
われわれの使命は、世界をより開かれた場所にして、つながりを強めることだ。人々はFacebookを利用することで、友達や家族とつながった状態を維持し、自分の周りの世界の出来事を発見できるほか、自分にとって重要なことを表現し、それを大切な人たちと共有することができる。われわれは、人々のコミュニケーションをより速く、簡単で、豊かなものにする取り組みの最前線にいると考えている。また、多くのユーザーの日々の生活において、Facebookがなくてはならない存在になったと信じている。
TwitterもFacebookも、文字、写真、動画を含むニュースフィードとコンテンツ「カード」を特徴としている。Facebookは多弁で悠長になることがあるのに対し、Twitterは簡潔でリアルタイム性が高い。Facebookには近況アップデートやLikeがあり、Twitterにはツイートやリツイートがある。この2つのソーシャルネットワーク兼メッセージングプラットフォームは同じ目標を掲げており、互いの進む方向が徐々に近づいてきている。
Twitterは、ユーザーがフォローする人々と、それらの人々がフォローする人々のツイートをアルゴリズムで検出する「Discovery」機能によって、ソーシャルグラフを拡張している。FacebookはTwitterで慣習的に使われているハッシュタグを模倣した。また、両社とも短編動画を作成するための姉妹製品を提供している。Twitterの「Vine」とFacebookの「Instagram」だ。両社は同じモバイル広告売り上げを追い求めている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」