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チャレンジせよ、ユニークであれ、話をうのみにするな--任天堂岩田社長の経営哲学 - (page 3)

岩本有平 (編集部)2013年10月08日 10時06分

経営はソフト作りと同じ

 山内氏の教え、そして自身の経営哲学を語る岩田氏だが、実は経営者になったばかりのころは、なんの準備もできていなかったと振り返る。

 31歳で、当時務めていたHAL研究所の開発部長から、経営を任された岩田氏。そもそも経営に興味がなかったし、経営の本を読むくらいであればプログラミングの本を読んでいたとのことだが、「組織を回さないとゲームソフトが作れない」というところしか自身のよりどころとなるものがなかったという。だが逆にこのソフト作りが、経営そのものだったのだと説明する。

 ものづくりは、資源が有限だ。やりたいことはいくらでもあるが、やれることは有限だ。優先度を明確にし、やるべきことを定義することが大事となる。これは経営者としてのマネジメントそのものだ。自分たちのチームの強みと弱みを的確に理解し、生かす。やった方がいいこと、やりたいことの中からやるべきことを絞り込むことが重要だ。

 さらに人材マネジメントについても触れ、スタッフ個々の適性を尊重し、強みを生かすことが重要だと説く。例えば得意な業務をすると、苦労の割に周囲が高く評価してくれるため、スタッフが元気に働けるケースが多い。岩田氏はこれを「ご褒美(高い評価)を見つける能力が才能」だ。と語る。また、自身の上司を振り返り、「結局いい上司とは、自分に興味があるかどうか」と分析。来場する起業家に対して、「部下に対して興味を持つべきだ」(岩田氏)とした。

社長に必要なのは「強い当事者意識」

 佐山氏は最後に、岩田氏に社長に必要な資質、素養について尋ねた。

 岩田氏は、「いろんなタイプがいるから一概に言えない」とした上で、「一番当事者意識が高い人」だと回答した。あらゆる事柄を「自分事」にできる人、「どうにかする」ということに執念があり、せっかちになれる人、そんな人こそが社長に適しているという。

 このあと、会場からの最後の質問で岩田氏はスマートフォン向けのゲーム提供の可能性について否定した。詳細はこちらの記事を参照頂きたい。

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