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第3のモバイルOS「Tizen」と「Firefox OS」が目指す世界--CEATEC JAPAN 2013 - (page 2)

エースラッシュ2013年10月04日 14時00分
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 ウェブアプリは、とくにインタラクティビティに関してまだ速度が不足しているといわれるが、植松氏は「ハードウェアと統合することで十分なパフォーマンスが得られ、HTML5でもネイティブアプリと遜色ないスピードを提供できる」と、ベンチマークの映像などを見せながら語った。そして、車載向けのサービスや、NHKが始めようとしているインタラクティブなサービス「ハイブリッド・キャスト」などが活用事例として紹介された。

 「HTML5はクラウドをバックエンドとし、ウェブブラウザが組み込まれたデバイスの上ですべてのアプリケーションのサービスが受けられる。大きなポテンシャルを持ったテクノロジー」だとし、「そうなるためには互換性やパフォーマンス、インタラクティビティの一貫性を調整しなければならない」と課題についても触れた。そして「ウェブ、クラウド、ハイスピードなネットワークが進化する中で、それらともっとも親和性が高いHTML5への流れができているのは必然。ネイティブアプリケーションの標準化がなかったテレビなどの家電もHTML5に期待していて、近い将来必ず広く活用される時代がくる」と期待を述べた。

エコシステムやモバイルOSはどう展開するか--パネルディスカッション

 セッション後半は、モデレータである岸田氏の質問にパネリストが答えるという形でパネルディスカッションが行なわれ、主にエコシステムについて議論が交わされた。

  • 情報通信総合研究所グローバル研究グループ上席主任研究員の岸田重行氏

 最初の議題は、ウェブアクセスが一般的になり、スマートフォン以外の世界にも利用シーンが広がる中、新しい形のエコシステムも広がっていくか、というもの。これについて杉村氏は「エコシステムには、部品、機器、アプリという側面があり、それぞれ広がり方は違うが、部品や機器についてはメリットが大きいため広がるだろう」としながら、「アプリについては、30万あるといわれるアプリのうち98%は見られてもいない。その仕組みを改善する必要がある」と語った。

 植松氏は「新たなエコシステムが生まれる可能性はあるし、みんな期待はしているが、お金を還流する仕組みをうまく作らないといけない」と課題を指摘し、「開発者のためにTizenやFirefox OSがイニシアチブをとって進めてほしい」と期待を示した。瀧田氏は「これは難しい話」と前置きし、「エコシステムは利用する立場によって違ってくる。誰のためのエコシステムなのかを考えなければならない」と語り、多くの立場の人が集まって議論する必要があり、まさに今がそのタイミングなのだと指摘した。

 今後は、既存のエコシステムに新しいOSやブラウザが組み込まれていくことになるが、それによってハードウェアの面からみるとどのような展開になるかという点も話題に挙げられた。これについて瀧田氏は「既存のブラウザで動くコンテンツがたくさんあるが、それがそのまま動く環境もエコシステムのひとつ。インターフェースやプラットフォームを変えてもいままでの資産を捨てずに済む。ハードウェアの世界でも技術や部品を流用できるという大きな意味でのエコシステムが考えられる」と述べた。

  • 3人によるパネルディスカッション

 杉村氏は携帯電話の開発時に、Linuxを使ったことが部品メーカーに歓迎された自らの経験や、グローバルな部品を供給できるチップセットベンダーしか生き残れなくなっていることを例に挙げ、「物作りをする上で、エコシステムをどう考えるかが大きな課題」と語った。植松氏はスマートフォンや家電が連携する様子を描いたスライドを示しながら「HTML5によって、スマホなどひとつの機器の中で閉じた世界ではなく、広がったエコシステムに展開するだろう」と期待を語る。

 また、エコシステムの今後については、「今のエコシステムもよくできているが、今後に期待するのは自由度」と植松氏が述べ、より多くの人が新しいことにチャレンジできる余地ができることへの期待を語った。

 最後に、モバイルOSの今後について杉村氏は「ITの世界は一般的でない言葉があふれていて、普通の人が使いにくい。ユーザーがやりたいことを、一般的な名詞で使えるようにすること」と課題を挙げた。さらに、端境期(はざかいき)の今がちょうどそれを考える時期であり、ハードウェアも進化してきているため、これから面白いことが起きるだろうと展望を語った。これには瀧田氏も「今は“ブラウザ”という言葉すら使われなくなってきた。IT技術をユーザーに意識させないのがエンジニアの勝負どころ」と賛同。植松氏は「トータルなサービスを提供するのに必要なネットワークやクラウドが、ネックになりつつある。それをどう解決するかを今考えなければいけない」と課題も示した。

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