トレンドマイクロは9月19日、コンシューマー向けに4つの新製品とサービスを発表した。同日から順次提供を開始した。
発表された製品は、総合セキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」、スマートデバイス向けセキュリティソフト「ウイルスバスター モバイル」、パスワード管理ツール「パスワードマネージャー」の3つ。サービスとしては無料のWindowsストアアプリ「トレンドマイクロ コネクト」が発表された。デバイスプロテクション、データアクセス、ダウンロードアプリという“3つのD”のセキュリティと使い勝手を両立させる、コンシューマー向けの戦略「3D戦略」に基づいている。
同社の取締役副社長であり日本地域担当、グローバルコンシューマービジネス担当である大三川彰彦氏は、今回の製品とサービスについて「デジタルライフを丸ごと守る」ことを目的にSNS対応機能を強化、プライバシー保護を拡充、サポートメニューを増強したと説明した。
具体的には、多種多様なデバイスに対する紛失や盗難、不正アクセス、クラウドとソーシャルに対するプライバシー情報漏えい、豊富なアプリに対する不正アプリやウイルスと、環境の変化による脅威に対応したと強調している。
Android端末に感染する不正アプリは、この1年で25倍以上に増加しており、2013年には標的型の不正アプリが初めて確認されるなど、スマートフォンやタブレット端末に不正アプリが急増している。アプリの約2割にプライバシー情報漏えいのリスクがあり、約4割はバッテリ消費の高いアプリという。さらに、IDとパスワードを窃取して別のウェブサイトへ不正アクセスする攻撃が多発しており、約30万アカウントが不正ログインされた。その原因はパスワードの使い回しであると大三川氏は指摘した。
SNSについては、国内のFacebookユーザー数は2100万人となり、その86%がモバイルからアクセス。SNSを使う上でプライバシーが気になるユーザーは83.7%いるが、85.6%のユーザーはSNSの設定を分かりづらいと思っていることなども大三川氏は指摘した。今回発表した製品とサービスは、こういった背景からユーザーを守るためのものであるとし、それを実現するために今後も機能を強化していくとした。
同社の上席執行役員でありコンシューマビジネス統括本部長である大場章弘氏が、新製品とサービスを紹介した。新版のウイルスバスター クラウドでは「プライバシー設定チェッカー」の機能を強化した。この機能は、SNSの設定をチェックしてプライバシー情報漏えいを防ぐもの。これまではFacebookだけだったが、最新版ではTwitterとGoogle+にも対応している。
「保険&デジタルライフサポート」機能も刷新した。これまでWindowsとMac、周辺機器のみであった対象範囲をAndroid、iOSも含めた。加えて、FacebookやTwitter、Google+、LINEなどSNSの使い方や設定もサポートした。性能も向上し、リアルタイムスキャンの検索時間が前版より最大16.9%短縮されたという。今回のウイルスバスター クラウドは、Windows 8.1にも対応、不審なダウンロードファイルをチェックする機能はメールの添付ファイルにも対応した。
ウイルスバスター モバイルの新版では、不正アプリのクラウドスキャンに対応した。これは、パターンファイルの約9割をクラウド上に置くことで、最新の脅威への対応と端末の動作を軽くできるという。SNSプライバシースキャナーアプリとの連携で、Facebookのプライバシー設定の安全性を2ステップで容易にチェック、変更ができるようになっている。
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