China Labor Watch(CLW)は米国時間9月5日に公開した報告書の中で、中国の江蘇省無錫市にあるAppleサプライチェーンのThe Jabil Green Point工場が労働基準に違反していると主張している。この工場は「廉価版iPhone」の筺体を製造していると見られる。
CLWが覆面調査の実施後に報告したところによると、中国人労働者たちは毎月11時間の無給の超過勤務で総計数百万ドルを失っているだけでなく、1カ月あたり100時間以上に及ぶ有給の超過勤務をこなすよう強いられているという。さらに、労働者は30分間の食事休憩以外は休憩なしで毎日11時間以上立ちっぱなしだ。超過勤務の時間は中国の法律で認められている上限の3倍になるという。
CLWは次のように述べている(Jabil Circuitは米国に拠点を置く企業で、無錫市のThe Jabil Green Point工場を所有する)。
CLWの報告書が指摘する違反の多くは、AppleとJabil Circuit両社の行動規範に反している。中国のAppleサプライチェーン全体で行われている数々の過重労働について、5年間にわたり外部調査や自身による調査が行われたにもかかわらず、Appleは工場に発注するまでに、同社の行動規範や現地の労働法の遵守をこれらのサプライヤーに徹底させることに繰り返し失敗してきた。
これに対し、Appleは次のような回答を寄せた。
広範にわたる「Supplier Responsibility」プログラムの一環として、Appleは2008年以降、Jabilの施設で14件の包括的監査を実施してきた。これには、過去36カ月間で行ったJabil Wuxi(無錫)の監査3件も含まれる。われわれは、当社のサプライヤーに関するいかなる懸念についても極めて深刻に受け止めており、当社の専門家チームはJabil Wuxiの現場で、現地の状況に関する新たな報告について調査している。Jabilは独自の予防的な監査プログラムを備えており、Appleの高い水準を満たしてきた素晴らしい実績を持っている。
Jabilの従業員はAppleのサプライチェーンで働く100万人の労働者の一部であり、われわれはこれらの労働者の労働時間を毎週追跡して当社のウェブサイトで報告している。1週間あたりの労働時間の上限を60時間と定めたAppleの規定の順守率を見ると、過去1年間にJabil Wuxiは当社の平均値92%を上回る実績をあげている。2013年に入って完了した監査では、確かに一部の従業員が休日なしで6日間以上連続勤務したことが判明しており、Jabilは当社のチームと協力して超過勤務の管理向上を目指している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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