ソニーのSmartWatchが初めて発売されたときは高価で(129.99ドル)、それだけで高性能なスマートフォンとほぼ同じ価格だった。問題は、このちょっとしたデバイスは箱から取り出した段階では十分な機能を備えていないことだった。
例えば、着信やメッセージに関する通知のような基本的な機能を有効にするために、複数のアプリを自分でインストールする必要があった。ソフトウェアのバージョンが古いデバイスには、頻繁にクラッシュしたり勝手にリブートしたりする問題もあった。
一番困るのは、リブートすると時計とスマートフォンの間のBluetooth接続が失われ、SmartWatchが内部の時計をリセットしてしまうことだった。すると初期状態に戻り、昔のビデオデッキのように「12:00」が点滅表示されることになる。
公正を期すために言えば、ソニーは初代SmartWatchの問題をソフトウェアアップデートによって対応するという行動を取っている。しかしそれは、われわれが洗練されたユーザーエクスペリエンスと呼ぶものとはかなり異なっていた。
同社はこの時計を、以前よりもはるかにセットアップしやすいものにしている。特にSmartWatch 2にはNFC機能が内蔵されており、これを使えば、対応スマートフォンとのBluetooth経由での連携が、デバイス同士を軽くぶつけ合うだけで可能になる。
またスマートフォンとSmartWatchの連携が適切に行われると、「Android」スマートフォンはユーザーに、ソニーのSmartWatchアプリをダウンロードするように求める。その中から好きなアプリをいろいろと選ぶことができる。以前はデバイス間の連携を手動で設定してから、あらゆるアプリを個別に検索してインストールする必要があった。本当に大変だった。
覚えておいてほしいのは、自分で機能を追加しない限り、(あらかじめ付いている時計の盤面以外には)アラームとタイマーのアプリしか手に入らないということだ。
とはいうものの、ソニーはSmartWatch 2に、初代SmartWatchのアプリとの互換性を持たせているため、「Runtastic」やTwitter、Facebookなどのアプリを使うことができる。
驚いたのは、この新しいデバイスがBluetoothの最新バージョンである4.0を使っていないことだ。代わりに使われているのがBluetooth 3.0で、これは4.0が提供している優れたBluetooth低エネルギープロトコルに対応していない。
もちろんソニーは既に、初代モデルの場合と同様に、このハイテク時計のバッテリ持続時間は3~4日間であるとしている。われわれが初代モデルやPebbleから学んだのは、充電器を手もとに用意しておくか、毎日充電するのが賢い方法で、そうしなければバッテリを使い果たしてしまうリスクがあるということだ。これに対してサムスンは、GALAXY Gearのバッテリ持続時間を24時間としている。
最後に、SmartWatchはほぼすべてのAndroid搭載スマートフォンと連携するが、「iOS」とは連携しない。PebbleはiOSに対応している。しかしGALAXY Gearは、少なくとも現在のところはサムスンの新しい「GALAXY Note 3」としか連携しない。
2013年の9月中に発売予定のSmartWatch 2は、ウェアラブルテクノロジ分野への関心の高まりをうまく利用しようとしているようだ。問題はサムスンや、もしかするとAppleのような有力メーカーもこの市場に参入するとなると、この分野が非常に混み合ってくるということだ。このことは、消費者が関心すら持たないかもしれないような製品カテゴリでは特に問題だ。
ほかにも、小さくても熱狂的なユーザー基盤を持つPebbleや、自由なジェスチャコントロールを備えたユニークな機能を持つHOT Watchなどが、ユーザーをソニーから引き離そうとする可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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