しかし、Appleはもう少し価格を下げる必要があるという意見もある。
IHS iSuppliでワイヤレス通信を担当するシニアアナリストのWayne Lam氏は、次のように語る。「Appleは、成長中の市場、かつ販売奨励金付きのスマートフォンを持たない傾向のある市場を獲得する必要がある。約1500元から2000元がおおよそ300ドルにあたるが、この価格であれば説得力があるだろう」
--Appleは低価格モデルのコストをどのように削減するのだろうか。コスト削減に大きな役割を果たしているのが、プラスチックの使用だ。プラスチックは、Appleの現在の主力であるアルミニウムよりも、成形や輪郭の切り出しが簡単に行える。iPhone 5を例にあげると、ワイヤレス信号が通過できるように、背面パネルに窓を開ける必要があった。プラスチック製のiPhoneの場合、その問題はなく、Morgan Stanleyの調査によれば、実際にメカニカルな部品のコストを33ドルから16ドルへ、約半分に削減することができるという。
ほかにもコスト削減の方法はある。具体的には、最先端からやや劣る部品を使うことだ。これは、Appleが「iPod touch」と「iPad mini」のカメラやほかの部品でしてきたことだ。
それはある。しかし、大きな問題なのはその規模だ。Piper JaffrayのMunster氏は、iPhoneの標準モデルの売り上げを食い合う割合を25%と予想している。これは、50%という同社の以前の試算からは大きく減少している。
これが大きな問題であるのは、Appleは上位機種のスマートフォンのマージンを大きくしているからだ。同社は、上位機種のストレージをアップグレードする場合に、消費者には100ドル程度を請求しているが、それによって増える同社のコストは10ドルから20ドルに過ぎないと推定されている。価格は安いが、製造コストはそれほど安くないものをより多く売ろうとしても、そうした高マージンのモデルほどの利益は上がらない。
Appleはかつて、売り上げの食い合いは実際には「大きなチャンス」だと言うことによって、そうした懸念を和らげようとしたことがある。
Appleの最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は1月の業績発表でiPad miniについて話した際に、ウォール街のアナリストたちに、「われわれの核となる信条は、売り上げの食い合いを決しておそれないことだ。われわれが食い合いをしなければ、だれかほかの企業がそうするだろう。iPhoneが『iPod』ビジネスの一部の売り上げを減少させたことは理解している。われわれはそれを心配はしていない」と言っている。さらに同氏は、iPhoneやiPadを買う人が、別のApple製品も買うかもしれない、とも言っている。
--Appleがもう1種類のiPhoneを発売することについて、人々が興奮しているのはなぜか。良い質問だ。同社は、何かが成功した後で、製品ラインを拡張するということを、長い間行ってきた。最近では、2012年のiPad miniがその例だ。Appleはそうしたやり方を、iPodと「iPod mini」、さらにそれ以前には「PowerBook」と「iBook」で行っている。
Appleがこれまでの6モデルで、新しいiPhoneを1年に1モデルしか発表してこなかったということを指摘したら、この答えが一番良く分かるかもしれない。ありふれたことであったとしても、慣習から抜け出すことは注目に値する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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