LINEは8月21日、ビジネスイベント「Hello, Friends in Tokyo 2013」を開催し、無料通話・メッセージアプリ「LINE」の利用状況や、今後のプラットフォーム戦略などについて説明した。また、秋以降に提供する新サービスなども発表された。
1月に世界におけるユーザー数が1億人を超え、そのわずか半年後の7月には倍となる2億人を達成したLINE。現在は1時間に6万3000人のペースでユーザーが増加しており、8月21日時点で2億3000万人(前年同月比460%増)まで拡大しているという。ユーザー比率は、国内が20%、海外が80%となっており、国別では日本が4700万人、タイが1800万人、台湾が1700万人、スペインが1500万人、インドネシアが1400万人となっている。
イベントで登壇したLINE代表取締役社長の森川亮氏は「今年の目標は3億ユーザー」と語り、各国でのローカライズや、Nokiaをはじめとしたスマートフォンメーカーとの提携などを通じて、海外ユーザーの拡大を図るとしている。また、今後は北米や欧州などにも積極的にプロモーションを展開したいとした。
LINEアプリのトーク機能で1日に送信されるメッセージは70億件(前年同月比440%増)、スタンプは10億件(前年同月比488%増)におよぶ。また、無料通話は前年同月と比べて912%と大幅に増加しているという。秋には無料のビデオ通話機能も提供される予定だ。有料スタンプの販売も好調で、1年前の単月売上高は3億円だったが、7月時点では10億3000万円にのぼるとした。
森川氏は、LINEをきっかけに夫婦間でのコミュニケーションが増えているとするデータを紹介。また、世界中でスタンプを軸にしたコミュニケーションが浸透しているほか、災害情報をいち早く共有できるインフラとしても成長していると話し、「LINEはこの1年でコミュニケーションに革命をおこした」と胸を張った。
LINEは1年前に開催されたイベント「Hello, Friends in Tokyo 2012」で、LINEのユーザー同士が楽しめる連携アプリやサービスを集約したプラットフォーム「LINE Channel」を発表した。LINE執行役員の舛田淳氏は、各連携アプリの実績などを紹介しつつ、プラットフォーム構想の進ちょくを語った。
現在、LINEの連携アプリは52タイトル提供されており、累計ダウンロード数は2億9000万件を超える。また、すべての連携アプリの単月売上高は7月時点で30億7000万円におよぶという。中でも「LINE GAME」の成長が著しく、1年で36タイトルをリリースし、累計ダウンロード数は1億9000万、単月売上高は25億8000万円を超えている。特に人気の高いパズルゲーム「LINE POP」は3200万、「LINE バブル」は2500万ダウンロードされているという。
舛田氏は、これらのゲームアプリの強みは「LINEのコミュニケーションの延長線上であること」だと語り、今後もLINEのリアルグラフにフォーカスしたゲームを積極的に展開していきたいと話す。LINE GAMEでは、秋以降に月4~5本のペースで新作タイトルを投入していく予定だ。
さらに、プラットフォーム構想の新展開として、秋にスマートフォン向けのECサービス「LINE MALL」を、2013年内にLINEの友人と購入した楽曲を共有できる音楽配信サービス「LINE MUSIC」を提供する予定だ。また、9月にはPCやスマートフォンのブラウザ上から、LINEの有料スタンプやLINE GAMEの課金アイテムを購入できる「LINE Web Store」も開設するとしている。
LINEの友人同士で近況を共有し合える「タイムライン」機能の利用状況も初めて明かされた。リリース当初は、ユーザーやメディアから「いらないんじゃないかとも言われた」(舛田氏)というタイムラインだが、7月時点の月間ユニークユーザー数は世界で7300万人、国内で2900万人となっており、1日のコミュニケーション数も5000万件を超えるという。「国内でもトップクラスのアクティブユーザー率を誇っている」(同)。
舛田氏は、PCの時代にはヤフーやグーグルなどの検索ポータルが、フィーチャーフォンの時代にはNTTドコモのiモードなどが、サービスを利用する際の“入り口”になっていたと説明。スマートフォンの時代にはコミュニケーションこそがすべてをリードすると語り、「LINEがスマートフォンのゲートウェイになる」と強調した。
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