Barnes & Noble、「NOOK」タブレット事業からの撤退を撤回

Joan E. Solsman (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 高森郁哉 (ガリレオ)2013年08月21日 12時47分

 Barnes & Nobleは、2013年7月に辞任した前最高経営責任者(CEO)が打ち出していた戦略を撤回し、結局は「NOOK」端末の展開を継続することになる。

 Barnes & Nobleの社長で、NOOK Media部門のCEOを務めるMichael P. Huseby氏は、「(当社は)最先端の白黒およびカラー版NOOK端末の設計と開発を継続する意向」であり、これは「NOOK HD」や「NOOK HD+」および他の電子書籍端末を「市場において最良の価値で」提供することを含む、と述べた。ホリデーシーズンまでに新しいNOOKを少なくとも1モデル発売する予定で、さらに多くの製品が開発段階にあると、Huseby氏は付け加えた。

 一方、NOOK部門の売上高は直近の四半期決算で前年同期比20%減となったが、調整後の損失幅はわずかに縮小して5500万ドルになった。

 Huseby氏は、決算発表の声明で次のように述べた。「当社の経営戦略で最優先すべきは、すべてのカテゴリのコンテンツ収入を増やすことだ。われわれは、既存の顧客にコンテンツを販売する革新的な方法に取り組んでおり、有益な供給が可能な新市場を開拓しつつある」

 Barnes & Nobleは2013年6月、NOOK HDやNOOK HD+などのタブレット製造事業から撤退することを発表し、すぐ後にCEOのWilliam Lynch氏が辞任するとのニュースが伝えられた。この人事は、Barnes & Nobleのオンライン事業から同社全体の指揮を任されるようになった技術志向の幹部の退任とともに、より多くの権限が同社会長であり最大株主であるLeonard Riggio氏に渡ったことを意味する。

 Riggio氏は米国時間8月20日、Barnes & Nobleの小売部門を買収する試みを保留すると述べた。同氏は規制当局への提出書類の中で、「手元の事業に注力することこそ、当社の最高の利益につながるものだ。現時点でわれわれが優先すべきは、NOOK端末を所有する1000万人以上の顧客にサービスを提供するとともに、小売事業の構築に集中して、NOOK製品の販売を加速させることだ」と述べた。Riggio氏は、小売部門の買収提案を再開する権利を保持することを書き添えた。この提案では、大学構内の書店事業も含むNOOK Media部門を存続会社として残すことになっていた。

 Barnes & Nobleは8月20日、2014会計年度第1四半期(7月27日締め)に損失幅が拡大したと報告した。総売上高は予想をわずかに上回り、前年同期比8.5%減の13億3000万ドルだった。純損失は、前年同期の3980万ドル(1株あたり76セント)に対し、8700万ドル(1株あたり1.56ドル)と拡大した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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