Oracleの最高経営責任者(CEO)Larry Ellison氏はGoogleの人々、特に同社のCEOであるLarry Page氏にやきもきしているという。Ellison氏は最近行われたインタビューのなかで、Oracleのコードを不正に使用している件についてPage氏を非難した。この非難は、Oracleによって権利が保有されているJava言語で記述されたコードの使用をめぐって両社の間で長期間争われ、2012年に判決が下された裁判にまでさかのぼる。
Oracleは2010年、「Android」で使われている37件のJava APIに関して同社が保有する著作権が侵害されたとして、Googleを提訴した。Oracleの主張によるとGoogleは著作権侵害にあたると知りながら、Oracleが買収したSun Microsystemsからライセンスを取得することなくこれらのAPIを使用したという。裁判は米国時間2012年5月31日に終了し、判事はAPIが著作権の保護対象にならないという裁定を下した。Oracleはこの判決を不服として上訴している。
Ellison氏はインタビュアーのCharlie Rose氏に対して「GoogleではLarryが意思決定を行っている。彼があの会社を運営している。彼以外の誰かが運営しているわけではない」と述べるとともに、「決断したのは彼らだ。この点ははっきり言っておきたい。Android携帯向けのプログラムを開発する際には、どのようなものであってもOracleのJavaツールを使うことになる。そして最後の段階で、『Androidフォーマットに変換』というボタンが押される。われわれはGoogleとは競合していない。われわれの業務には、Googleのそれとかぶるところなどない。ただ、Googleがわれわれの所有物を勝手に使ったのは間違っていると考えているだけだ。これはまったく別の問題だ。彼らの行為は間違いなく邪悪なものだと私は考えている」と述べた。
Oracleの主張している著作権侵害によってPage氏が邪悪な人物になるのかというRose氏からの問いかけに対して、Ellison氏は「いや、彼の行為が邪悪というだけであり、それとは全く違う。『邪悪になるな』という彼のスローガンは私も知っている」と答え、「今回の件については、彼が道を踏み外したと考えている」と続けた。
またRose氏は、米国家安全保障局(NSA)による監視やプライバシーの侵害にまつわる最近の報道についてもEllison氏に質問している。Ellison氏は、NSAの監視プログラムが、ボストンマラソン爆発事件のような攻撃を最小化する「素晴らしい」しかも「不可欠な」ものだと述べた。
Ellison氏は、American ExpressやVisaによる財務データの収集を例に挙げ、情報収集というものはずいぶん前から行われてきていると述べた。同氏は「この手の情報が政府によって乱用されたと聞いたことのある人がいるだろうか?」と問いかけた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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