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美少女ゲーム業界が生んだクラウドファンディングの価値--「CAMPFIRE」で過去最高の調達 - (page 3)

佐藤和也 (編集部)2013年08月09日 12時00分
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 僕から見ていると、クラウドファンディングのサイトって、立ち上げるだけ立ち上げておいて、あとはプロジェクト提案者に「がんばってね」という、ぶん投げ状態じゃないですか。キュレーターの方が熱意を持って担当してくれるところであればいいですけど、よくわからないところには出せないですよ。それに正直なところ、にぎわっているところとそうでないところの差が激しくて、今の段階で勝ち負けがはっきりしているように見えます。ジャンルだけ差別化しても、結局はどれも一緒のように見えますし。

 あとプロジェクトを出したほうも、審査が通ってサイトに載ったことに満足して、プロジェクトを広めていこうという活動を見受けられないところが多いです。だから、本気度が違うんだと思いますね。赤の他人がお金を出すわけがないんだから、熱意でくどかないでどうすんのって話ですよ。その熱意が感じられないところが多いです。

 「スマートにクラウドで資金調達」というのはきれい事で、基本的にはものを作って売る、あるいは提供するわけですから、そこに熱量がないとだめですよ。作りたいもの、やりたいことがあってみなさんにお願いしているわけですから。またプロジェクト提案側だけ熱量を持っていてもダメだと思うんです。今回はいいキュレーターの方に担当してもらい、熱意を持って接してくれたので安心してできましたけど、その熱量が感じられないサイトもあるように見えます。サイト側も熱量がないと、やっててつまんないかなと。我々がエンタメを扱っているから余計にそう思いますね。

--さきほど手数料が高いと話されていましたが、どれくらいが妥当だと思いますか。

 あくまでこちら側視点でお話すると、現状のツールでしかない状況だと10%くらいじゃないですか。クレジットカードなどの決済の手数料もあるかと思うので、それを含めて13~14%が適正だと思いますね。もちろん運営費やサーバー管理費もかかって、あと達成率もあると思うので難しいのかもしれませんが。ただ、熱心に対応してくださったCAMPFIREさんであっても、今のままの状態で次に同じように20%と言われたら、やっぱり高いと答えますね。将来的にプロジェクトがたくさん生み出されて、手数料が下がることを望みますし、逆に10%前後まで下がればもっと参入しやすくなって活気づくと思います。

--クラウドファンディングのサイトも、今後ジャンルだけでない差別化を図るかと思いますが、提案する側から見て、手数料以外でこういうサービスがあるといいと思うものはありますか。

 サクセスしたときの成果物の発送代行はまずほしいです。僕らでいくと、映像化計画のリターンの発送を考えると本当に大変なことがわかりきっているので。あとは、米国Kickstarterへの同時・代理投稿ですかね。海外に向けてはKickstarterに出した方が早いじゃないですか。ものにもよりますし、リターンの成果物がプロジェクトごとに一定ではないので一律に決めるのは難しいかもしれないですが、発送代行やKickstarterへの同時・代理投稿まで含めるのなら、手数料は20%でもいいとは思います。

 ほかにもサービスサイトが行うことかはわかりませんが、国内外におけるクラウドファンディングの面白い案件がまとめサイトのようにカジュアルに見られるようなるといいなと。たまに単発で取り上げられることがありますが、それ自体がまとまってあると、もう少しクラウドファンディングに対する認知が変わってくると思いますね。現状では言葉だけひとり歩きして、一般的な理解度は全くないと言っていいと思うので。

--今後もクラウドファンディングやプレオーダーを活用されると思います。今の段階で考えている案などがあれば教えてください。

 今考えられることとして、僕らは音楽をやっていますけど、CDが売れない時代じゃないですか。だからライブやイベント公演で稼いでいるのですが、一般的にライブイベントが増えてきているのと同時に東京の都心に集中しすぎて、箱(会場)が取れない状況なんですよ。

 一方で地方から遠征して来る方もいらっしゃいますけど、そのために東京に来る楽しみもあるかと思いますが、交通費とかかかるわけじゃないですか。逆に言うと、こちら側も地方への交通費や宿泊費などがかかるのが難点で、来場者数も都心より少なく見積もらないといけないと考えると、回収が難しくなかなか地方での公演ができないと。

 たとえば地方公演の実施のためのパフォーマンス支援という形でクラウドファンディングをやりたいとは考えてますね。仮にひとり1000円で300人集まったら30万円。そのお金があれば場所にもよりますけど、スタッフをある程度同行させて宿泊もできて、東京と同じようなクオリティで公演ができます。そのリターンでロードムービーや、移動中とか打ち上げの模様などをパトロンのみに公開するというようなアプローチは可能かなと。地方の方の移動負担の軽減にもなりますし。

 実際に自分がプロデュースしたライブイベントのなかでは、通常価格のほか、1万円や2万円などの高額チケットを販売して、その分公演のDVDの配布やチェキを一緒に撮影できるなどのファンサービスを加えているものもありました。公演費用の大半をチケットでまかなえるというのも、クラウドファンディングのいい仕組みを取り入れていると思います。あとは、アルバムの制作にも取り組みたいですね。

--クラウドファンディングやプレオーダーの取り組みは頻繁に行っていくのでしょうか。

 いや、そうは思っていません。これまで売る側の視点でお話していましたけど、ユーザーやファンの視点から見ると、リターンとなるものの金額が高いものになってしまうので、あんまり頻発するようなことは止めようと思ってます。大規模なものは1、2年に一回で、こまごましたものはそれなりにと。今は2案件でのデータを検証しているところです。

 やっぱりお客さんと僕らがお互いに楽しんでもらうためのファンディングだと思うんです。確かに何度も実施できればこっちは楽ですけど、お客さんの視点を無視してやり続けると疲弊してついていけなくなりますし、ここぞというときにでしょうね。

 そして何より素直な心境として、先のことを語るにはまだ早いし、今の段階でプロジェクトが成功したとは言えません。はじめの一歩として資金調達そのものは成功をしたと言えますが、僕らのプロジェクトはものを作ってみなさんに届けるまで終わらないですから。映像化計画と「グリーングリーン」をしっかりと仕上げて、僕らを信頼して支援してくれたみなさんにお返しをするのが先決です。それでみなさんが満足してくれて、はじめて成果が出て成功したと言えるので。ここで失敗したら、これまで積み上げたものも崩れて後がなくなります。クラウドファンディングは、あくまで信用の前借りですから。

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