パナソニックは7月31日、2014年3月期第1四半期(4~6月)の連結業績を発表した。デジタル家電製品は厳しい競争環境が続き減収となったが、ソーラー関連事業や車載用電池などの販売増により、営業利益は前年同期比66%増の642億円の増益となった。
売上高は1兆8254億円(前年同期比6%減)、営業利益は642億円(同66%増)。税引き前利益は1226億円、当期純利益は1078億円といずれも大幅な増益に結びついた。パナソニック常務取締役の河井英明氏は「固定費の圧縮、年金制度の一部変更に伴う一時益の計上なども増益に寄与している」とした。
好調に推移したのは、固定価格買取制度による駆け込み需要があった太陽光発電システムなどを持つ「エコソリューションズ」とリチウムイオン電池や車載マルチメディア関連機器などがある「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」。河井氏は「ソーラー受託関連事業は順調に推移し、円安も追い風となった。住宅、車載関連商品の販売も増加している」と話す。
一方、テレビ、デジタルカメラ、携帯電話などの「AVCネットワークス」は、BtoC商品の需要低迷と機種の絞り込みにより大きく販売減となった。
なかでもスマートフォンの苦戦が続く携帯電話については「厳しい状況だが、継続していきたいと考えている。ただし、続けていくには独自の強みを出していかなければいけない。BtoB向け製品の展開や、PCでも取り組んでいる頑強な設計のモデルの投入など、現在戦略を練っているところ」とした。
同様に「前年度に比べ、販売台数は4割程度」となるデジタルカメラについては「固定費圧縮には相当取り組んでいるが、販売減の影響が出てきている。特にコンパクトデジタルカメラは厳しく、商品構成を変えていかなければいけない。ミラーレスも競争が激化してきているので、一眼レフカメラを含めた高級タイプのモデルをどう展開できるのかを検討している。デジタルカメラ分野におけるパナソニックの強みの一つは動画技術。これを含めて新しい展開ができないかと考えている」と現状を話した。
パナソニックでは、2014年3月期通期の連結業績予測を、売上高7兆2000億円、営業利益2500億円と前回発表時の数字を据え置いた。河井氏は「社内の見通しからすると第1四半期は上振れ。ただデジタルコンシューマ関係はグローバルで厳しい状況が続いている。営業利益は順調に推移しているが、年間見通しを修正するような状況ではなく、第2四半期以降もしっかりとやっていきたい」とした。
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