同タイトルの好調さとは裏腹に、一気に下降の一途をたどっているのがブラウザゲームだ。エイリムに出資するgumiは、GREEのプラットフォームにタイトルを提供している国内有力デベロッパー企業の1つだ。これまでの資金調達額も20億円を越えるなど、次期IPO候補の呼び声も高い。
しかし、そのgumiは7月末に官報で2013年4月期決算について10億円を越える赤字見通しが掲載されるようだ。別の関係者によると「最大で月次の赤字が3億円。海外の6つの拠点が合計で毎月1億円以上の損失を引き起こしたのが大きい」という。先日、グリーでも海外拠点を縮小し、これまで海外事業を担当していた取締役 執行役員常務の青柳直樹氏が国内復帰するという報道もあったが、プラットフォーマー、ゲームデベロッパーともに海外拠点で苦戦する企業は少なくないようだ。
ただ、関係者への取材と、gumi代表取締役社長の國光宏尚氏が中国のゲームカンファレンス「China Game Business Conference」で語った内容を総合すると、すでに海外拠点でもネイティブゲームの開発実績があり、シンガポールでパズルゲーム、韓国でシューティングゲームといった具合に、海外でもすでにネイティブアプリシフトを実現しているという。
ネイティブアプリはブラウザゲームよりもリッチな表現が可能な一方で、開発言語やコンテンツの作り込み、さらには音楽や音声の必要性など、考える要素が異なる。gumiでは数カ月前、社内でネイティブシフトをうたう「ゲーム会社宣言」まで飛び出していたという複数の証言も得ているが、ブラウザゲームの落ち込みもあることからネイティブシフトを求める声は相当に高かったようだ。だが一方で、これまでのブラウザゲームで売上を支えてきたエンジニアサイドからの反発も想定される。
一連の動きについてgumi代表取締役の國光宏尚氏は、「ネイティブへの転換と海外展開にはかなり苦労しているが、ようやく形になってきた。これから年末に向けて一気に“世界獲り”に向かう」と語った。
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