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iPhoneのヒットは予測できた?開発者から見たiOS 7--松村太郎のApple一気読み

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 7月15日~7月21日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 日本でiPhoneが発売されたのは2008年7月。それから5年たったが、当時のことを振り返っての読者アンケートでは、当時からのiPod人気と日本人の新し物好きを背景に「ヒットすると思った」という人が多数を占めていた。一方で、スマートフォンそのものに対する認識が薄かった、iPhone 4までは成熟が足りなかった、との声も見られた。

 日本市場においては、日本がそれまで作り上げてきた世界で最も先進的だったフィーチャーフォンの世界を一変させた5年間だった。国内キャリアの戦略もあり、日本の端末メーカーにとっては苦境が続くが、スマートフォンに対して日本のケータイ文化のアドバンテージを活用する動きが生まれてくれば、ビジネスチャンスはまだまだ眠っている。

iPhoneは日本でヒットすると思った?

 先週のAppleに関するニュースを見ていこう。

開発者から見たiOS 7

アプリ開発者の目から見た「iOS 7」(7月18日)

 現在開発者に対してベータ3まで公開されているiOS 7は、一般向けには秋のリリースが予定されている。開発者から見てiOS 7はどんな新しさがあるか、という記事が掲載された。これを知っておくことは、ユーザーがOSとアプリからどんな体験を得られるのかを知る手段にもなる。

 デザインについては大幅な変更があり、アプリ開発者も綿密な調査と再設計が必要になる。何より、これまでの見た目と全く違うため、アイコンから画面にある1つずつのパーツに至るまで、見直しをしなければならなくなる。同じアプリでも、操作性や見た目が見違える可能性があると言える。

 これらをサポートするのがUIKitフレームワークで、新しいOSとの調和が取れたデザインを作るための「責務」が課されていると紹介されている。またハードウェアアクセラレータを活用したアニメーションを呼び出せるSprite Kitフレームワークは動きを司り、ゲームのパフォーマンス向上にもなるだろう。

 その他強化されたOSの機能でも紹介されている。AirDropのようにPtoP通信するための通信が取り入れられるが、例えばEvernote Helloのように「音」を認識して連絡先交換を行うようなアプリは、音を出す必要がなくなる。その他、iOSデバイスとiCloud間でパスワードを同期できるようになったり、Passbookやメッセージへのファイル添付ル添付が可能になったりと、強化のポイントは広範にわたる。

 既存のアプリ、あるいは全く新しいアプリで、こうしたOSの新機能が生かされ、我々に新たな体験を与えてくれるだろう。

将来のiPhone・iPadのチップについて

 AppleのiOSデバイスの要となるのが、カスタマイズされたApple向けチップ群。現行の最新チップはA6シリーズとなっており、2013年は「A7」、2014年は「A8」と毎年メジャーアップグレードを繰り返していきながら、端末とソフトウェアの両面での性能向上を目指していくと見られる。

 先週、SamsungがAppleに対して、iPhone向けのチップ「A9」の提供を行うという記事が掲載された。これによると、2015年後半にリリースされると見られるiPhone 7向けに、14nmプロセスで製造されるチップA9の提供を開始するというものだ。ただし、ニュースソースは韓国の媒体だ。別のニュースでは、台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing CompanyがAシリーズチップのための3年契約を結んだとの記事が数週間前に掲載されており、精査が必要だ。

 AppleはSamsungとの取引を段階的に縮小させているが、現在のAシリーズチップはSamsungによる生産が続いてる。またIntelとの交渉についてもたびたび報じられており、Appleがどのようにチップを確保していくのか、注目が集まっている分野だ。それだけに、韓国勢、台湾勢などからこうした情報が流れがちになっていると見られる。

 Wall Street Journalは、Piper JaffrayのアナリストGene Munster氏のリサーチを紹介し、Appleはチップ製造に取り組むかもしれない、としている。既にAppleはP.A. Semiconductorを買収している。

 実際、Appleのオプションが狭まっていることも事実としている。Samsungと何か新しいことをはじめる状況ではないし、Intelとも知的財産や生産設備の面で折り合いがつかないと見られる。Samsung、Intel以外に名前が挙がっているのは、IBM、Global Fundries、United Microelectronicsだ。

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Appleの買収企業、地図関連の充実を目指す

 ここに来てAppleによる企業買収の話題が3本入っている。1つはMicrosoftのKinectなどにも採用されているセンサー技術の企業PrimeSenseとの買収交渉。他の企業がライセンスを受けて製品を作っているのに対し、AppleはPrimeSenseごと買収したいと考えているようだ。この話がまとまると、他の企業へのライセンスについて影響が出る可能性もある。

 それ以外の2社はいずれも地図に関するものだ。

 1つは乗換案内や移動の計画を立てることができるサービスHopstop。現在はウェブサイト、モバイルアプリで利用できる。経路検索や地下鉄駅、バス停などを探すことができ、複数の行き先を移動する方法を計画し、車いすやベビーカーでの移動も提案してくれる。リアルタイムのアラートや予定経路の変更も可能だ。

 またもう1社はLocationary。こちらは複数の情報源のデータを常時統合し、地元企業の一覧を確実に最新の状態にすることに注力している企業で、企業の移転先の追跡や営業時間などの情報も収集している。

 これら2社の技術がAppleのマップに取り込まれていくと、地図上の情報はかなり迅速にアップデートされ、また経路検索などもリアルタイムに情報を受け取りながら活用できるようになりそうだ。Googleは地図情報のクラウドソーシングが可能になるWazeを買収しているが、Appleは実際に地図を活用している人たちからの情報を活用できるようにするのかどうか、注目しておきたい。

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