ディスプレイが白黒の電子ペーパーであるため、バッテリ持続時間はかなり期待できると考えるかもしれない。ウェブページには、「約7日」持続すると記されている。
Pebbleには充電用の専用USBケーブルが付属しており、そのコネクタにはAppleの「MacBook」シリーズで採用されている「MagSafe」コネクタや、Microsoftの「Surface Pro」で採用されているコネクタのような磁気接続式のものが用いられているが、その磁力はあまり強くない。このため、テーブルの上に置いて充電している最中に何かが少し当たっただけでケーブルが外れてしまう。とは言うものの、「クリーンな接続方式」はPebbleの防水性に貢献するため、筆者は好ましいと考えている。ただ、ケーブルの紛失には注意した方がよいだろう。
Pebbleの充電がいつ完了したのかは正確に分からないし、バッテリ残量がどれだけあるのかも分からない。そして時たま、意味の分かりにくいインジケータがポップアップしてくるものの、あまり正確だとも思えない。充電していても「充電完了」というメッセージは表示されないし、Passportのように小さなLEDの色が変わるというわけでもない。これは少しおかしな話だ。その結果、筆者は充電時間を推測することしかできず、誕生日パーティーの途中でバッテリ切れを経験する羽目になってしまった。
また、携帯電話でのバッテリの消耗については、Pebbleのウェブサイトによると1日当たり少なくとも5~10%程度消費電力が増えるようだ。
Pebbleを支える思想には筆者も好感を抱いているものの、その潜在能力がフルに発揮されているとはまだ言い難い。このため実際の問題は、その時が来るまで、いや来るとして、スマートウォッチの進化がPebbleを置き去りにしてしまわないだろうかという点にある。Pebbleの名誉のために記しておくと、この製品自体の基本機能、つまり(1)時刻を表示する、および(2)テキストやかかってきた電話の情報を表示するといった機能には何の問題もない。しかしそれだけでは、必携のガジェットにはなり得ないのだ。
現在のPebbleでも十分ニーズに応えている点はいくつかある。手に届きやすい価格となっており、防水機能があり、さまざまな楽しいフェースが用意されており、電話をかけてきた相手の情報を表示したり、メッセージを通知することができる。しかし、その用途は限られている。そして、Pebbleの磁気センサや加速度センサといったセンサ類を利用したアプリなどがさらに登場することを期待したい。
Pebbleはおそらく数カ月のうちに、興味を持ったプログラマーや、新しいもの好きの御用達デバイスとなり、アプリに興味を持つ腕時計ファンにとってはたまらない製品となるだろう。開発者像などがどのようなものになるのかを想像するのは現時点では難しい。あなたがプログラミングに造詣の深い開発者なのであれば、Pebbleに興味を抱くかもしれない。しかし、一般的なコンシューマーなのであれば、他にどのようなスマートウォッチが登場するのかを見極めた方がよいかもしれない。
現在のところ、Pebbleは真のキラープロダクトというよりも、可能性のかたまりでしかない。しかも、Pebbleが提供するとされている素晴らしい機能はまだ実現されていないものもあるため、すべてはあなたがその可能性を信じるかどうかにかかっている。現時点では、万人向けと言えるほどには成熟していないものの、アプリが多く出そろえばその状況は改善されるだろう。Pebbleの浮沈はアプリにかかっているのである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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