公式のPebble Watch Kickstarterページの動画を見ると、Pebbleの特長を確認できる。Pebbleの機能は、組み込みの機能であるか、携帯電話からPebbleに無線経由(Bluetooth)でロードされるミニアプリによって実現されている。なお、USBケーブルやPCは必要ない。ファームウェアのアップデートも同様に携帯電話との接続を通じて行うようになっている。
フェースやアプリの管理も簡単だ。Pebbleアプリはタップするだけで任意のファイルを削除したり、Bluetooth経由でアップロードするファイルを選択できる。
上述したように、互換性のあるアプリがサードパーティーから複数リリースされているものの、それらのロードや設定は個別に行うようになっている。筆者が「Google Play」で見つけた通知アプリを使えば、互換性のあるさまざまなアプリからの通知をPebble上に表示できるようになる。また、GPSで取得した現在地の潮汐情報をPebbleに送信するアプリもある。このアプリは「Send」ボタンを押してPebbleに情報を表示させるようになっているものの、例えば1時間おきに情報を更新するといったようにはなっていない。
また、こういったサードパーティーのアプリは、メインのPebbleアプリと統合されていないようであり、アプリを見つけるという行為に少しばかり草の根的な、そして趣味的な感覚をもたらしている。
iOS機器を使用している場合、Pebbleの機能は現時点では驚くほど限られている。Bluetooth経由で通知を受け取れるようになっているため、テキストメッセージやiMessage、かかってきた電話の情報は表示できる。また、Pebbleはしっかりした音を発生させるとともに振動もするが、サウンドやトーンを奏でる機能はない。電話の発信元情報はPebbleの画面上に表示され、通話を受ける、あるいは無視する(ボイスメールに転送する)ことができる。ただし、Martian WatchのPassportのような通話機能はない。Pebbleはヘッドセットに付いているリモコンと同様、通話を開始するための単なる物理的なボタンでしかない。
Pebbleは結局のところ、2013年現在出回っているスマートウォッチの多くが目指しているような、腕に装着するポケットベルということになる。とは言うものの、それ自体は悪いことではない。筆者は携帯電話に手を伸ばせない、あるいは呼び出し音が聞こえづらかったり、振動が感じられない際の不便さをしばしば感じている。周囲が騒がしい場合や、自らが忙しい場合であっても、Pebbleがあれば電話がかかってきたり、テキストが送られてきた際に即座に気付け、しかも発信元情報も目にできる。
Pebbleのその他の機能は、それほど心躍るものとはなっていない。組み込まれている音楽コントロールアプリは、iOS上のほとんどの音楽再生アプリ(「Spotify」や「Pandora」「ミュージック」「Amazon Cloud Player」「Podcast」「TuneIn Radio」はすべて動作した)や、Android上のGoogle Musicから再生中の楽曲の情報とアーティスト名を表示でき、それらアプリでの基本的な再生/一時停止/スキップが行えるようになっているものの、音量調整やメニューのナビゲーションといった高度な操作は行えない。また、Pebbleを使って音楽ライブラリを閲覧したり、楽曲を選択することもできない。iPhoneをドックに接続しており、お気に入りのヘッドホンにリモコンが付いていない場合、あるいは再生中の楽曲の情報が知りたいものの携帯電話に手を伸ばしたくない場合には、リモコンとして重宝するだろう。
フェースの選択は楽しい。一部のフェースはとても魅力的なものになっている。しかし筆者は、愛用している「iPod nano」に用意されている12種類の色彩豊かなアニメーション式時計表示の方が概して優れていると感じてしまうため、Pebbleのフェースには不満が残る。Pebbleのフェースギャラリーには素晴らしいものもあるが、それら以外は陳腐に感じられ、解像度の低さがより目立つ。とは言うものの、今後リリースされるSDKにより、外部の開発者からより多くのデザインが提供されるはずであるため、これは腕時計愛好家にとっては夢のような製品だとも言える。
ありがたいことにPebbleはBluetoothで接続されているかどうかに関係なく、時計として機能する。また、携帯電話とペアリングしている場合には自動的に時刻合わせをしてくれる。
1週間の試用で筆者が気に入った点は、単なる腕時計として使え、フェースのデザインを変更でき、かかってきた電話や送られてきたテキストを外出先の騒がしい場所でも確認できるところだ。
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