Googleは自動運転車から相当な売り上げを得られそうだ。
投資銀行Piper JaffrayのGene Munster氏が米国時間7月9日に公開された投資家向けメモで述べたところによると、Googleは、自動運転車向けハードウェアを製造しても、あるいは単に必要なソフトウェアを自動車メーカーにライセンスするだけでも、利益を得られる可能性が高いという。いずれの場合でも、今後10年間、この急成長分野がGoogleにもたらす売り上げは増加していくはずだ。
Munster氏は、「自動車事故による死亡者数と交通渋滞に伴う無駄な時間を減らすことの効用は、自動運転技術にとって、最大で2000億ドル以上の機会に相当する」と述べた。同アナリストはGoogleについて、「今後10年間」、この技術から利益を得るのに「最も有利な立場にいるインターネット企業」と考えている。
自動運転車の利点を力説するMunster氏は、2011年、自動車事故によって約3万2000人が死亡したとする米道路交通安全局(NHTSA)の調査結果に言及した。その数字は過去と比較すると大幅に減少しているが、自動運転車を導入すればさらに減らすことが可能だと同アナリストは確信している。
テキサスA&M大学交通研究所が行った別の調査によると、米国人は2011年、交通渋滞の中で55億時間を無駄に過ごし、1210億ドルに相当する時間と燃料を失ったという。自動運転車はそれらの交通渋滞を軽減できる可能性も秘めている。
現在、自動運転車はネバダ州とカリフォルニア州、およびフロリダ州で法的に認められている。Googleがそれらの州で自動運転車「部隊」のテストを行っているとMunster氏は考えている。NHTSAも安全対策と総合的なポリシーの策定を目指して、自動運転車を研究している。
もちろん、自動運転車は厄介な法的問題を提起する。自動運転車が事故を起こした場合、誰が責任を取るのか。運転手か。自動車メーカーか。それとも、自動運転技術の開発者か。
その答えは、自動化の度合いによって変わるのかもしれない。NHTSAは自動運転車の自動化の度合いについて、5つのレベルを定めている。最初のレベルは全く自動化されていないことを意味し、第5レベルは完全な自動化を示す。その間のレベルは、それぞれ自動化の度合いが異なる。
自動運転車が軌道に乗る前に、より多くのテストを実施し、より多くの問題を解決する必要があるのは明白だ。しかし、米政府はこれに取り組んでいるとMunster氏は感じている。
「NHTSAは自動運転車に関心を持つ州に向けて、自動運転車の安全なテストに関する勧告を発行した」と同アナリストは述べている。「われわれは、政府が自動運転車に対して敏感に意識しており、おそらくこの技術を受け入れていると考えている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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