サンフランシスコ発--Dropboxは、ハードドライブそのものを置き換えてしまうことを目指し、単なるシンプルなクラウドストレージアプリとしての運用形態から、サービスで構成される本格的なプラットフォームへと拡大する動きを見せている。
クラウドストレージプロバイダーであるDropboxは米国時間7月9日午前、「Dropbox Platform」を同社初の開発者会議で発表した。Dropboxの最高経営責任者(CEO)で創設者のDrew Houston氏は、Dropbox Platformが「ユーザーに代わって同期の問題を解決する新しい基盤」であることをアピールした。
Houston氏によると、Dropbox Platformには構造化データの同期の維持、オフラインでの作業、コンフリクト(競合)への対処、複数OSにわたる作業などが含まれるという。
「同期とは新しい保存のことである。われわれは決して過去を振り返らない」とHouston氏は述べ、この特定の機能がすべてのユーザーに影響を与える問題であることを付け加えた。
Dropboxは2012年11月、ユーザー数がおよそ1億人に達していた。9日の時点で、同サービスのユーザー数は1億7500万人で、「恐ろしいほどの勢いで」成長し続けているとHouston氏は述べた。
Houston氏によると、さらに納税申告書から結婚式の写真にいたるまでの10億を超えるファイルがDropboxアカウントに毎日保存されているという。
Houston氏は、Dropboxがいかに欠けていたものを埋め、単なるコンテンツ用のクラウドストレージとしてだけでなく、家族、友人、同僚によるコミュニケーションや共有のためのオンラインハブとして利用されているかを説明した。
Houston氏は、Apple、「Android」、Amazonに言及し、「これら企業はすべて、素晴らしいものを開発しているが、問題はすべての企業が互いの顔面を殴り合っていることだ」と一刀両断した。
Houston氏は、このことが開発者とエンドユーザーの両方にとって問題であると主張し、基本的にこれらのデジタルサイロが「ユーザーが自分のものを置いておくための新しい場所」にすぎないことを説明した。
非常に簡単に言うならば、Dropbox Platformは開発者向けのツールセットで、いかにアプリがデスクトップとモバイルの両方のプラットフォームと端末にわたってデータにアクセスするかを決定するためのものだ。
「われわれは複雑な問題を取り上げ、シンプルなソリューションを考案した」とHouston氏は胸を張って述べた。「Dropboxを利用し始めたその日から、人々は、自分の所有物が保護されている生活をいつまでも続けることができる」(Houston氏)
Dropbox Platformは、以下のいくつかの主要要素で構成される。
ネイティブなChooserツールとSaverツールは、既に米「Yahoo Mail」に組み込まれている。
Dropbox Platform上で動作するアプリは既に10万を超えており、他の業界パートナーとしては、アイデンティティ管理の1Password、生産性モバイルアプリのCloudOn、コラボレーションプラットフォームのAsanaなどがある。
特にiOSユーザー向けには、Dropboxは最近買収した「Mailbox」アプリに対してこれらのAPIを使用した変更を既に加えている。具体的なリリース日は発表しなかったものの、Houston氏は新しいバージョンを「まもなくリリース」すると約束した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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