ウィルコムは7月4日、都内で記者発表会を開催し、2013年夏モデルとなるスマートフォン新製品や、新サービス、新料金プランなどを発表した。同日は、ウィルコム代表取締役社長の宮内謙氏が登壇し、自ら夏モデルや新サービスの魅力を語った。またゲストとして、同社のテレビCMに出演するタレントの佐々木希さんや高田純次さんも会場に駆けつけた。
発表会の冒頭で宮内氏は、ウィルコムの現状について説明。同社はソフトバンクの支援を受けて再建を進め、7月1日に更生手続終結の決定を受け、ソフトバンクの連結子会社となった。また、2010年12月末時点で378万件まで落ち込んでいた累計加入者数も6月末時点で549万件まで回復した。
ウィルコムが復活を遂げた大きな要因の1つとして宮内氏が挙げたのが、PHSからすべての携帯電話、固定電話への通話が無料になるオプションサービス「だれとでも定額」だ。日経BPコンサルティングの料金満足度調査でも同社は3年連続で1位を獲得しているという。「本当にローコストで価値があるサービスを提供していけば、そこに大きな道があると信じていた。だれとでも定額はたった2年半で270万人の加入者数になった。これが一番の成功要因」(宮内氏)。
夏モデルとして発表されたのは、ウィルコム初のPHSと高速データ通信4Gに対応した京セラ製スマートフォン「DIGNO DUAL 2 WX10K」(7月18日発売)、PHSと3Gのデュアル方式に対応したシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE es WX04SH」(9月中旬発売予定)、4Gに対応し有機ELディスプレイを搭載したファーウェイ・ジャパン製の省電力スマートフォン「STREAM 201HW」(9月中旬発売予定)の3機種。
ウィルコムでは夏モデルの発売にあわせて、スマートフォン専用の低価格料金プラン「ウィルコムプランLite」を7月18日から提供する。月額2980円でLTEサービスが使い放題(1Gバイトまで)になるサービスで、月額料金の合計は4275円となる。同社では6カ月間はパケット定額が1980円になるキャンペーンも実施する。また、7GバイトまでLTEサービスが使い放題になる「ウィルコムプランD+」も提供する。
さらに、他社のAndroidスマートフォンとの通話も無料になるPHSアダプター「だれとでも定額パス WX01TJ」を7月下旬に発売する。専用のアプリをインストールしたAndroidスマートフォンから、だれとでも定額パスにBluetoothで接続することで、ウィルコムのPHS回線を使った通話ができるサービスだ。NTTドコモやKDDIのスマートフォンでも利用できる。
端末の価格はオープンで、基本使用料は月額490円。3年契約が前提となる。オプションサービスの「だれとでも定額」(月額980円)に加入することで、ウィルコム同士なら24時間通話が無料になり、他社ケータイや固定電話への国内通話も、月500回(10分以内)まで無料となる。
これらに加えて、発売を延期していた固定電話型のPHS端末「イエデンワ2 WX05A」も7月下旬に発売する。さらに自宅の固定電話回線に設置するだけで、振り込め詐欺や勧誘電話などの迷惑電話からの着信を自動で警告する端末「迷惑電話チェッカー WX07A」を7月4日に発売した。価格はオープンで、料金は基本使用料とオプション料あわせて月額700円。
迷惑電話チェッカーは、全ユーザーが登録した迷惑電話番号のリストをクラウド上で共有することで、今まで着信がなかった番号からの迷惑電話でも自動で判別できる端末。更新された迷惑電話番号のリストは、ウィルコムのネットワークを利用して利用する迷惑電話チェッカーに自動配信される。なお、迷惑電話番号情報は7月時点で2万件以上登録されているという。
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