若年層を中心に広がっていると言われている“テレビ離れ”。その一方で、スマートフォンの普及により、テレビを見ながらソーシャルメディア上で実況を楽しむ人や、「リアル脱出ゲーム」などネットと連動したユーザー参加型のテレビ番組なども増えてきている。
ネットエイジアとシタシオンジャパンが2月末に実施した調査でも、Twitter利用者のうち、テレビを見ながら「見ている番組の関連情報をTwitterで見る」人は42.3%、「見ている番組に関するつぶやきや書き込みをTwitterでする」人は43.4%に上るという結果が出ている。少しずつではあるが、テレビとネットの融合が進んでいるという見方もできる。
こうした現状を受け、テレビと連携したスマートフォン向けサービスや新機能を立て続けにリリースしたのがヤフーだ。まず6月4日に、リアルタイム検索のスマートフォン版において「テレビ連携機能」を公開した。リアルタイム検索は特定のキーワードに関するTwitterやFacebook上の投稿をまとめて検索できるサービスだ。
テレビ連携機能は、放送中のテレビ番組に関するTwitter上の盛り上がりを放送局ごとにグラフで表示する機能。一定以上の盛り上がりを見せる番組には、番組とともによくつぶやかれている言葉「共起語」を1分ごとに表示する。リアルタイム検索の結果に表示される「話題なう」メニューから「放送中のテレビ」を選ぶことでアクセスできる。
リアルタイム検索を担当するヤフーの一戸美穂氏は「スマホ版のリアルタイム検索のメインユーザーである女性層は、よくテレビを見ながらツイートしている。またテレビや芸能関連のクエリが好まれる傾向にあった。こちらからユースケースを提供することで、クリックすれば欲しい情報を一度に見せられるような切り口にできないか考えた」と提供の背景を語る。
同じくリアルタイム検索を担当する山口瑞穂氏によれば、ヤフーはTwitter社との提携を通じてすべてのツイートデータ(プライベートコンテンツを除く)の提供を受けているため、テレビ連携機能では、常に変化する番組に関するツイートを、ほとんどタイムラグなく正確に集約できるという。
また、他社が提供するテレビ番組のTwitter実況アプリなどは、番組名やテレビ局に関連したハッシュタグをベースにしているものも多く、ハッシュタグがついていないツイートは拾われていないこともある。ヤフーでは検索サービスを提供する強みを生かし、独自の日本語処理技術によって、ハッシュタグに加えて付属する検索ワードなども抽出しているため、より関連性の高い情報を表示できるという。
同社ではテレビ連携機能をはじめとした、さまざまなユースケースを提供することで、リアルタイム検索の利用者を獲得していきたいとしている。
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