膨大な数のモバイルユーザーの支持を得ようと2社の企業が争っている。一方の企業は多種多様な携帯電話、タブレット、ノートPCを提供している。それは万人向けのアプローチであり、さまざまなデバイス、価格、カラー、機能が用意されている。もう一方の企業が現在提供しているモバイルデバイスのラインアップは限定的だ。同社の最新スマートフォンはサイズが1種類で、カラーもブラックとホワイトしかない。しかし、両社ともそれぞれ異なるアプローチで成功を収めている。
万人向けの企業サムスンは先々週、ロンドンにおいて雪崩のような製品発表を行った。同社のフラッグシップスマートフォン「GALAXY S4」も5機種が発表されており、5インチまたは4.3インチのスクリーンを備えるほか、プロセッサやカメラ、バッテリ、本体重量、カラー、機能も多種多様だ。サムスンはまた、ノートPCの新製品も発表した。その中には「MacBook Air」の競合製品で、3200×1800ピクセルのディスプレイを備え、「Windows 8」もしくは「Android」で稼働可能なノートPCもあった。
一方、Appleはこの8カ月間、精巧に作られた雪片のような製品を少数発表することに満足してきた。MacBook Airの刷新と、根本から再設計された「Mac Pro」についての期待を抱かせる発表のことだ。Appleは2013年秋、「iOS 7」のリリースとともに現行の「iPhone 5」をアップデートすると見られている。もしかすると、よりコスト意識の高い購入者や新興市場を対象とする廉価版のiPhoneも投入するかもしれない。
サムスンはおびただしい種類の製品を投入することを好むが、「少なければ少ないほど良い」というのがAppleの考え方だ。Apple製品はシンプルさと優雅さの象徴であり、同社のユーザーベース(これまでに6億台の「iOS」デバイスが販売されている)は、心情的にAppleブランドと結びついており、文化的に同社のエコシステムと結びついている。Net Applicationsが実施したモバイルウェブ利用に関する調査では、「iPad」が82%、iPhoneが59%のシェアを獲得した。
潤沢なマーケティング予算を持つサムスンは、選択肢の多さと機能の豊富さを象徴している。Appleの顧客が(1日当たりの100万人と言われているApple Store来店者を含め)、どのモデルを購入するかを判断するために分析する情報量は、サムスンの顧客が購入する製品を決定するときに調べなければならない情報量と比べれば、嫌になるほど多いというわけではない。
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