子どものころに習う小便器を使うときのエチケットには、実際に役立つ教えはない。少なくとも筆者が思い出す限りはないし、筆者の友人もそうだと言っている。おおよそ前方を見るというのが自然だろうというくらいだ。ほかの人の方を向いてもいけないし、下を向いてもいけない。周辺視力があるので、そうやって小便をしているときには、隣の人が自分と同じことをしているかどうかが十分に確かめられる。また、隣の人が下を向いて、自分の方を見ていたら、自分もそれに気づく。
彼には何が見えるだろうか。それは実際には何よりもまず、彼の隣に立っている人がどうしているかによる。ほとんどの場合、大して何も見えないだろう。まず、自然に手で隠しているし、開けてあるパンツがさらに障害物となる。小便器自体も目隠しになる。しかし一般的には、大して何も見ないだろう。
ところで、筆者はこのことを、ほかの男性と同じように、単に用を足しに行った経験から知っている。用を足し終えると、普通はファスナーを上げる前に下を見る。そこで周辺視野によって、自分の周りで何が起こっているかを再び察知することになる。それほど多くではないが、見えてしまうことはある。
一般的によく確かめられているのは、ほかの人が実際に小便をしているかどうかということだ。それは音で分かる。周辺視力によって、小便が流れ出るのも見える。そして、ほかの人が小便を出し始められない場合、あなたは何も言わない。あなたが小便をし始められなくても、ほかの人が何も言わないのはありがたいことだ。
そう、排尿恐怖症というのは実際にある問題だ。排尿を始めるのにプレッシャーを感じることがある。時々そうしたプレッシャーを感じる立場として言えば、それを和らげるのに一番良いのは、小便器の間に目隠しを設置することだろう。しかし、男性用トイレのほとんどは主に男性が設計していると思われるが、そうした男性は目隠しを設置したり、設計したりする価値を理解していない。
プライバシーに配慮した男性用トイレの設計を最も無視しているのは男性であると、筆者は考えている。それは、男性はそうしたことを期待せずに育ってきたからだ。プライバシーはわれわれ男性の多くにとって問題でなかった。あるいは、それを我慢して受け入れることを身につけてきた。以前、この話題が取り上げられるという奇妙な機会があったのだが、ほとんどの女性は、男性用トイレがどのような状況にあるかを知ると、恐怖感を表した。
Google Glassはその状況を改善するかもしれない。The Wall Street Journalの米国時間5月17日の記事が指摘するように、プライバシーが適度に期待される場所での裸の人々の「動画による盗撮」や写真撮影は、以前から法律で禁止されている。これは、Google Glassは既に法規制の対象になっているということだ。しかし、それは誰かがこの法律を無視することを防ぐものではない。Google Glassを使えば、その法律を無視しながら逮捕されないということが起こりやすくなる可能性がある。あくまでも推測の話だが、Google Glassには、トイレをよりプライバシーに配慮した設計にするという副効用があるかもしれない。
それまでの間、男性たちは、「The Urine Game」で非常に的確に説明されているのと同じ方式で、小便器を選び続けるだろう。ただしその場合には、プライバシーを守るために誰もがする動きの一部として、Google Glassの装着者を避けるという新たな工夫をするようになるだろう。
装着者はどう考えているのだろうか。筆者の仕事仲間であるMarketing LandのMatt McGee氏は、Google Glassを既に2週間使用しているが、「頭の上に持ってくる」という方針を取り入れている。それは、新しいマナーの基準になるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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