自動車についても検討する必要がある。Arbitronによると、平均的な米国人は1週間に15時間を車内で過ごすという。Cue氏がWWDCで話したように、Appleはより多くの自動車メーカーと連携して、「iOS」の機能を自動車のLCDに直接組み込もうとしている。同氏は本田技研工業、Mercedes-Benz、日産自動車、Ferrari、Hyundai、Kia、Infinitiなど、多くのパートナーの名前を挙げた。
Pandoraも多くの自動車メーカーと連携している。同社が送付した統計シートによると、Pandoraは175のアフターマーケットデバイスに搭載されており、90以上の車種に組み込まれているという。
親和性があるのは当然だ。ある調査結果によると、回答者の84%が運転中にAM/FMラジオを聴くと答えたという。しかし、もっと重要なのは、18~24歳のグループの約5人に1人が運転中に携帯電話でPandoraから音楽をストリーミングすると答えたことだ。これらすべてが何に通じるかは、皆さんもお分かりのことだろう。それをすべて自動車に組み込めば、これだけ多くの人が自分の音楽を聴きたくなるということだ。
これを、WWDCで発表された音声認識テクノロジ「Siri」への大規模な変更と組み合わせれば、iTunes Radioは明らかな脅威になる、とBTIGのアナリストRichard Greenfield氏は話す。Greenfield氏は、Siriは「iOSが自動車やそれ以外の場所で重要な位置を占めるための鍵となる存在だ。これにより、iTunes Radioは真の『Pandoraキラー』になる」と書いている。PandoraやSpotifyではなく、iTunes Radioがダッシュボードの中心に表示されるようになれば、なおさらだ。
もちろん、Appleは多くの課題と新たな挑戦者に直面している。Spotifyは現在、28カ国でインターネットラジオサービスを提供しており、その数字を急速に増やしている。一方、Googleは5月、「Google Play」の一部として、Spotify風のサブスクリプションサービスをロールアウトした。Googleは競争力を高めるために、無料プランの追加を決定するかもしれない。同社はさらに、YouTubeと連携する音楽サービスにも取り組んでいる。
しかし、Appleはこの10年間、音楽から始まったエンターテインメントコンテンツを通して、自社のハードウェアに人々を引き寄せてきた。そして音楽は(iTunes Radioの2700万曲に対してPandoraは100万曲)、そのトレンドを次の10年間も促すかもしれない。Appleが安価な「iPhone」、さらにはパーソナライズされたサウンドトラックを送信できる新デバイス(例えばスマートウォッチ)を発表した場合は、その可能性がさらに高まるだろう。
歴史は繰り返すのだろうか。Appleはデジタル音楽プレーヤー、スマートフォン、タブレットコンピュータを最初に発売した企業ではなかった。しかし、それぞれのデバイスで余分に時間をかけたことが素晴らしい結果をもたらした。どのような結論を下すかは皆さんの自由だが、議論の余地がないこともある。テクノロジに関しては速く動く者が必ずしも競争に勝つわけではないということを、Appleが証明してきたことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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