Appleは1年以上におよぶ断続的な交渉を経て、3大音楽レーベルとの合意にこぎつけた。これで、Appleが来週開催の同社イベントWWDCで無料インターネットラジオサービスを発表する可能性が一段と高まった。
複数の業界筋によると、最後の契約はSony Musicとの間で結ばれたという。これらの情報筋は、AppleとSony Musicの2社が米国時間6月7日午前に合意に達したと述べている。Sony Musicは3大音楽レーベルの中で契約を唯一これまで保留にしてきており、細かい点での交渉を続けたことで他の音楽レーベル幹部をいら立たせていた。世界最大のレーベルであるUniversal Musicは最初にAppleと契約し、それに続いてWarner Musicと同社音楽出版部門のWarner/Chappellが契約している。
Sony Musicの広報担当者はコメントを拒否している。Appleもコメントを控えた。
Appleはしばらく前から音楽業界と交渉を続けてきたが、過去数週間でその取り組みに対してより力を入れ、「iRadio」と呼ばれてきたサービス(分かりやすく「Apple Radio」という名称になる可能性もある)の提供開始を目指している。Appleの「iTunes」を統括するEddy Cue氏はこの数週間、ニューヨークで多くの時間をかけて、レーベルおよび音楽出版社各社の幹部らとともに、契約締結に向けた協議を進めてきた。
Appleは既に大勢が参加している分野に参入しようとしているが、そのビジネスチャンスは巨大だ。インターネットラジオを支配するPandoraには約7000万人のアクティブリスナーがいるが、利用できるのは米国、オーストラリア、ニュージーランドに限られている。情報筋によると、対照的にAppleは、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、日本を含む最大10数カ国でのサービス提供にすばやく取り掛かろうとしているという。
Sony Musicとの合意は大きいが、Appleは依然として音楽出版社と契約を締結する必要がある。これまでのところ、Appleが唯一契約を結んでいる大手音楽出版社はWarner/Chappellであり、取引交渉は同社のレコード音楽会社側と並行して行われた。
とはいえ、AppleがWarner/Chappellとの間で合意した条件により、残りの音楽出版社がまもなく契約を結ぶのはほぼ確実になる。全音楽出版社の中でも、Appleにとって最も契約が困難なのは、世界最大の音楽出版社Sony/ATVである(Billboardは7日、AppleがSony/ATVと契約したことを報じている)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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