Firefox OSは、ウェブが中心となることを見据えたプラットフォームであり、アプリをすべてHTML5などの技術を使って動作させていることが特徴だ。そのため、ウェブブラウザ上で動作するアプリをそのまま動作させることができ、新たにアプリを開発する必要もない。OSの設計自体も、ウェブブラウザのエンジンを積んでダイレクトにウェブアプリを動かす、非常にシンプルな形になっているとのことだ。
会場では、Firefox OSを搭載した開発用のスマートフォンを使ったデモも披露された。開発機ではカメラや音楽、動画やゲームなどさまざまなアプリが動作しており、現在提供されているスマートフォンと同等のことが実現できるとしている。また、既存のスマートフォン利用者に違和感を与えないよう、他のスマートフォンに近いインターフェースを採用しているが、独自に作り替えることも可能だという。
ところで、すでにスマートフォン向けには、数多くのネイティブアプリが開発され提供されている。これらの資産をどうするのかという疑問について、瀧田氏は「コンバートするツールなども作ってはいるが、新しいことをする時は、“0か1か”の極端なことをやらないといけない」と話し、開発時点でウェブベースのアプリを用意するのが望ましいとの見解を示した。
また瀧田氏は、Firefox OSがローエンドモデル向けのOSとして伝えられていることにも異を唱えた。Firefox OSのパートナーとして最初に手を挙げたスペインの携帯電話事業者であるテレフォニカは新興国のユーザーが多い。そうした人達にウェブ体験をもたらすために行き着いたのが、ローエンドのスマートフォンという形であっただけに過ぎないとし、日本では別の形での投入になることを明かした。
実際、Firefox OSはスマートフォンのみならず、テレビや自動車、住宅などにもHTML5技術が用いられる将来を見越したプラットフォームになっているという。瀧田氏は、2005年に開催されたInterop Tokyoのパネルディスカッションに参加した際、「ウェブプラットフォームがアプリプラットフォームとなり、Mozillaはアプリプラットフォームになる」と話したことを振り返り、当時から現在のFirefox OSに近い構想を持っていたと語る。また「真のウェブプラットフォームになる時代が到来している」とFirefox OSの将来に期待を寄せた。
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