Appleの新サービス「iTunes Radio」は、「Pandora」「Google Music」「Spotify」「Slacker Radio」をはじめ、そのほかのほぼすべての音楽サービスと競合しており、既存の「iTunes」をおなじみの機能で拡張するものだ。これには、ユーザーがお気に入りのアーティストに基づいて構築できるラジオ局や、「Featured Stations」などがある。
もちろん、iTunes Radioはユーザーの「Apple ID」と紐付けされるので、iTunesがインストールされているすべてのデバイスで利用可能だ。iTunes Radioは無料で利用でき、「iTunes Match」ユーザーは広告も表示されない。
Appleが現代的なサービスを提供する企業に加わったことはうれしく思うが、どんな競合企業も提供していない機能という観点から見ると、iTunes Radioに目新しいことはあまりない。
Appleお気に入りのデジタル音声アシスタントは、この最新のアップデートで新たな個性を手に入れた。実際のところ、「彼女」は全く新しい声を手に入れている。Siriが男性の声でユーザーに話しかけるように設定を変更することができ、これを数えると2種類の声を使えるということになる。われわれはiOS 7でいろいろなことを試してみたが、このベータリリースに男性の声は含まれていなかったので、判断は保留しなければならない。
話しかけると、新しい波形アニメーションが画面下部に表示され、Siriの結果は小さなカードではなく、全画面で表示される。Siriは検索クエリに応答するのに依然として少し時間がかかることにわれわれは気づいた。そのため、音声検索の速度に関しては、「Google Search」が今も記録を保持している。基調講演で、Appleがフランス語やドイツ語など英語以外の言語についても、「高品質」を追加する予定だと発表したこともうれしく思う。
圧倒的に最も重要な追加機能で、しかも本当に便利なのは、過去のボイスメールの再生やBluetoothの有効化、輝度の設定を上げるといった本体のシステム設定に関するアクションを、iOS 7のSiriが実行できるようになったことだ。多くの音声アシスタントはこの機能を備えていないので、AppleがこうしてSiriの機能を増強したのは好ましいことだ。ただし、音声によってコントロールのどれだけ深い部分まで操作できるのかはわからない。SiriでWikipediaやTwitterを検索することも可能だ。
これで、われわれが希望するのは、Siriの音声認識の精度と応答時間の向上だけになった。
iOSデバイスから(動画ではなく)音声のみの通話をしたくなるたびに「FaceTime」を終了していた日々は、終わりを迎えようとしている。Appleは動きながら話したいという人々のために、Wi-Fi上での高音質通話で動画通話を補完することを発表した。
これは小規模だが、非常に多くの時間を節約できる追加機能だ。「App Store」がiOS 7で自動アプリアップデートに対応する。この新機能はうれしくもあり、悲しくもあるものだ。なぜなら、アップデート通知がひっきりなしに表示されることは誰も望まないが、その一方で、アップデートを実行する前に新機能を確認したいと考えるアプリもあるからだ。しかし、Apple関係者と話したとき、自動アップデートは設定で無効にできると聞いて安心した。
AppleはMicrosoftを鼻で笑っているかもしれないが、マルチタスキングに関してはMicrosoftの美学を気に入っているはずだ。ホームボタンをダブルタップすると、開いているアプリの小さなサムネイルアイコンだけでなく、ユーザーが見ているアプリの縦長のプレビュー(小さなスクリーンショットのようなもの)も表示されるようになった。最近のAndroidのアプリリストのように、プレビューをスワイプするとアプリが閉じるようになっている。
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