はずしたカードケータイは非常にシンプルでベーシックなケータイだ。薄型のため電池交換はできず、SIMカードは側面からスロットインさせる。なおさすがにデュアルSIMには対応していないようだが、今の中国の技術ならこの薄さで対応させることも可能なのではないだろうか?iPhone 5がナノSIMなので、カードケータイは標準サイズのSIMとmicroSIMが2枚刺さるようになったら便利なんだけどなあ。
ケータイとしての機能は通話やSMSなど本当に最低限なものだけだ。ディスプレイもモノカラーで必要最小限の表示しかされない。SMSの受信はいいけど文章を入力して発信するのはちょっと辛いかも。まぁその手の操作はiPhone側でやることにして、カードケータイ側は単純に電話をかける端末として使うのがいいだろう。なお当然のことながらカメラやらイヤホンジャックなどは搭載されていない。
充電は本体下部のmicroUSB端子を使う。ここがLightningコネクタだったらすばらしいんだけど、トンデモメーカーにそこまでを期待しちゃダメね。それよりもカバーに装着したまま充電できると使い勝手が高まるので、背面側に端子をつけるなどの改善を期待したいところ。なお電池容量は小さいので充電時間は短い。GSM方式のみに対応するのでこのサイズでも数日の待ち受けが出来るのはありがたいところだ。
ちょっと心配なのははずしたカードケータイを紛失してしまうこと。カードケータイだけ別売があればいいのだが、実際はケースごと買い換えることになってしまうのだろう。こ大手メーカーがきちんとした製品として販売してくれれば別パーツとしての購入もできるようになるだけに、どこか有名どころのアクセサリメーカーが出してくれないかなあ。
普段の日常生活ではもう1台携帯を常に持ち運ぶ必要性はあまり感じられないかもしれない。ところが海外旅行に行ったときなどは、現地でプリペイドSIMを買えば現地の安価な料金で通話ができる。ところがiPhone 5はナノSIMであり、格安なMVNOキャリアはナノSIMどころかmicroSIMすら用意していないところがまだまだ多い。だがこのAngel 100を持っていけば現地SIMを刺して使うことが可能だ。SIMロック付きのiPhone 5を持っている人でもAngel 100で現地SIMを利用できる。
ところでパッケージ写真をよーく見ると、iPhone 4/4S用の製品も出ているようだ。そして一番左の写真を見るとどうやらSamsungのGALAXY SIII用に見える。もしかするとこのメーカーは世界中のメジャーなスマートフォンにカードフォンカバーを提供する、なんて野望を企んでいるのかもしれない。もしそうならやはりカードケータイの別売や、同じサイズの他のモジュールの製品化を強く望みたいところである。
ちなみに唯一の欠点と感じるのは皮のような表面仕上げだ。使い続けていると実に安っぽく、持った感じも皮とは思えない。プラスチックやメタリック仕上げなど普通のカバーと同じような見た目にしたほうがスタイリッシュだし幅広い年齢層に売れると思うんだけどなぁ。この欠点に気がついた他のメーカーからもっとクールな製品が出てくることに期待したいもの。ま、現実はこのAngel 100もニッチ商品にすぎず、人々の記憶に残ることなく市場からひっそりと消えてしまうだろう。
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