Appleの「Maps」は(控えめに言えば)前途多難なスタートを切ったが、時間とともに徐々によくなってきている。しかし、iOS 7の発表で本当に必要とされているのは、Mapsの大規模なアップグレードであり、それとともに、アップデートが定期的に行われるという約束も欠かせない。多くの人々が「Google Maps」に乗り換える原因となった、観光スポットや空港のレイアウトなどの細部について、Appleがステージ上で改善を示すデモを見せることができれば、人々はAppleのMapsをもう1回試してみても良いと思うかもしれない。また、同社が定期的なアップデートによって(あるいは信頼のある地図サービスの買収によって)Mapsに積極的に取り組む計画を発表すれば、MapsはiPhoneユーザーの評価を完全に逆転させる、正しい方向に進むことができるだろう。
AppleのMapsで対応が必要なもう1つの点は「Street View」だ。この分野では明らかにGoogleが優勢であり、ストリートレベル(および店内)の探索ではほかに並ぶものがない。AppleとGoogleが協力して、「Street View」をライセンスすることは可能だろうか。筆者はそれがすぐに実現するとは期待していないが、「Flyover」ビューはあまり効果的ではないし、「Streets」のような複数の段階を踏むサードパーティーアプリは、以前から別に「Google Maps」アプリを使っている場合には、無難な代替手段にすぎない。
iPhoneについて、Androidユーザーが最もよく口にする不満の1つは、iOSにはウィジェットがないことだ。筆者は最初懐疑的だったが、後に、ウィジェットは適切に作られていれば非常に便利だということが分かった。筆者が思い描いているのは、(できれば新たにデザインされた)通知プルダウンメニューを左か右にスワイプして、そこから便利なウィジェットをいくつか選んだり、それを好きな順番に並べられたりするようにすることだ。例えば、そこから単に下方向にスワイプして、次に左にスワイプすれば、スポーツの結果をチェックできたり、音楽を簡単にコントロールできたりする。こうした小さなアプリは、機能としては必要最小限のものだが、ちょっと確認したいような関連情報を与えてくれるだろう。もちろん、筆者はユーザーインターフェースの専門家ではない。しかし、重要な情報に簡単にアクセスできるような、いくつかの便利なウィジェットを導入する方法をAppleが見つけられたなら、それは素晴らしいことだ。
iOSのロック画面は、初代iPhoneの発売以来ほとんど変わっていない。現状では、iPhoneをアンロックしない状態では、時間と日付の確認と、カメラの起動しかできない。しかし、ロック画面上ですぐに見たい情報モジュールを好きな数だけ追加できたら、非常に便利だろう。これは先ほど述べたウィジェットの話に少し似ているが、天気や最新の電子メールなどの便利な情報を選んで、自分のiPhoneをアンロックしなくてもスリープを解除するだけで見られるようになれば、これほど便利なことはない。筆者は、ロック画面を煩雑にしすぎることなくエレガントな外観にするために、Appleがその伝説的なデザインセンスを発揮してくれると期待している。しかし多くの人々は、ロック画面をちらりと見るだけで多くの情報を得られることに興味を持つだろう。
2013年にAppleがiPhoneのハードウェアで人々を興奮させるのは難しいだろう。その最大の理由は、2013年が「S」の年にあたるからだ。Appleが2013年秋に予定しているのは「iPhone 5S」の発売であって、2014年の「iPhone 6」への大幅なアップグレードではない。つまり、(1年間契約が残っている)筆者のようなiOSユーザーが勝手に期待しているのは、われわれのハードウェアを動かすOSの大幅な変更だ。iOS 7では、デザインを刷新したインターフェースが足掛かりになるのは間違いない。しかし、競合他社が製品を向上させ、新しい革新的機能を発表し続けている中で、iPhoneが人々を興奮させ続けるには、さらなるものが必要なのは明らかだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス