米連邦地方裁判所は、ユーザーの機密データの開示を求めるFBIによる捜査令状なしの要請にGoogleが従わなければならないとの判断を下した。同社は、こうした極秘要請が違法であると主張していた。
米CNETが得た情報によると、サンフランシスコ地区米連邦地方裁判所のSusan Illston判事は、いわゆる国家安全保障書簡(National Security Letters:NSL)19件について修正または取り消しを求めるGoogleの要求を退けた。NSLは、米連邦捜査局(FBI)が令状なしで電子データを収集するのに用いている手法で、判事の承認を必要としない。Illston判事による今回の判決は、副長官を含むFBI幹部2名が機密扱いの宣誓供述書を提出した後のことである。
Illston判事の法廷で内密に行われた今回の訴訟は、米国時間5月10日に非公開で審問が行われ、インターネット企業などのIT企業がユーザーに代わって保有する情報をFBIが令状なしに閲覧することを阻止する新たな基本原則を確立する可能性があった。FBIは2003年から2006年の間に19万2499件のNSLを発行しており、NSLの97%に強制かん口令が含まれていた。
とはいえ、今回の判断は米司法省にとって完全な勝利ではない。Illston判事の判断は、Googleに対して控訴を勧めているのも同然であり、同判事は、Googleが「問題とされる19件のNSLに限定」した議論ではなく、広範な議論を提起したにすぎないことを強調した。また、同判事は、19件のNSLのうち2件について判断を保留にしており、判断を下す前に、米政府から「さらなる情報提供」を求めると述べた。
NSLは、FBI捜査官が国家安全保障上の捜査に関連する限りにおいて、ユーザーの「名前、住所、サービス期間」やその他のアカウント情報の提供をウェブや通信企業に対して極秘に要求することを認めるものであり、それゆえに議論を呼んでいる。NSLは、裁判所の承認を必要とせず、また、FBIの極秘要請を受けていることを開示することは許されていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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