Olasonicのスピーカは小さくても高音質なのが特長ですが、それを実現しているポイントの一つはアンプです。アンプだけを切り離してもなかなか素性が良い。このアンプは独自のSCDS(Super Charged Drive System)を採用しているため、小さくても高音質が実現できました。
SCDSとは、小信号時に余る電気を大きなキャパシタに蓄え、大信号時に大きな電流を供給する仕組みで、ハイブリットカーのような電源供給方式です。これを使って今までにないHi-Fiオーディオを作ってみようと始めたのがNANOCOMPOです。
現在、USB DAC内蔵プリメインアンプ「NANO-UA1」、CDトランスポート「NANO-CD1」を発表していますが、このあともD/Aコンバータ「NANO-D1」などを商品化していく予定です。
まず、小さいアンプを作ることから始めました。現在の市場では、小型のアンプはいろいろ発売されていますが、大型アンプには音質で負けているのではないでしょうか。アルミサッシを用いた筐体デザインも似通っています。そこで素材にはハイエンドオーディオなどにも使用されているアルミダイキャストを使い、ネジも継ぎ目もない、シームレスな形状のアンプを作ろうと考えました。それがNANOCOMPOのスタートです。
ただ、アンプはパーツの選び方によって小さくできる商品なんです。ですから超小型と言われるサイズを決めかねていました。だったらということで、これに組み合わせられるCDプレーヤーを作ることにしました。CDでしたら、CDサイズ以下には小さくできませんし、世界最小サイズがイメージしやすい。それで幅149mmに決定しました。
CDプレーヤーは、ドライブから探したのですが、CD専用ドライブがもう市場には出まわっていないんですね。DVD再生や録音機能がついているマルチドライブは必要なかったので、NANOCOMPOでは、いらない機能を全部取り去った専用ドライブを独自に開発しています。もちろん筐体はアンプ同様アルミダイキャストです。
このアルミダイキャストの筐体は、すべてのNANOCOMPO共通して使用しています。実はAV製品を作るとき、一番費用がかかるのが金型なんですね。大量生産品であればモデルごとに起こすこともできますが、少数生産品ではモデルごとに金型を起こすことはまずできない。また、ダイキャストで作るとかなりのコストがかかります。
そこで、NANOCOMPOは共通の金型を作ることでコストを抑えることに成功しました。一つひとつは少数生産ですが、シリーズ展開すれば、金型のコストが抑えられます。また通常の横幅430mmのオーディオを作るのであれば、金型代も高額になりますが、149mmだと金型代も一定の金額で収まります。NANOCOMPOは小さいからこそアルミダイキャストの筐体が実現できたのです。
だからこそ、この金型は長く使えるものでなければいけません。そのため開発は、ある程度のところまで5モデル同時で進行しました。CDプレーヤーでもアンプでも同じ金型が使える。このメリットはコスト面でも、音質面でもNANOCOMPOに大きな効果を与えています。
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