韓国のサムスンが、現行の第4世代(4G)ネットワークより数百倍速くデータを転送できる新たな中核技術を開発したという。
サムスンが現地時間5月13日に発表したところによると、同社はミリ波帯で使用できる第5世代(5G)モバイル通信技術の研究開発を加速する計画で、2020年までに同技術の商用化を目指すという。
サムスンによると、同社が開発したのはミリ波帯で使用可能な「世界初」のアダプティブアレイ送受信技術で、長距離データ転送に伴う問題が克服されているという。この中核システムでは、28GHzのミリ波帯でデータを最大1.056Gbpsの速度で最大2km離れた場所へ転送できるとしている。
これは現行の4Gネットワークと比べてはるかに高い周波数帯だ。まだ世界に普及している段階の第4世代ネットワークでは、数百MHz~数GHzの帯域を使用している。現在稼働している従来型ネットワークより高い周波数帯で提供される未来の5Gネットワークでは、通信速度が数百倍になり、データを「事実上無制限で」やり取りできるようになるとみられる。
多くの携帯通信事業者は、いまだ第3世代(3G)ネットワークを提供している。
サムスンによると、利用者はスーパーハイビジョン(UHD)のコンテンツやゲームを無制限で送受信できるようになり、ストリーミングの問題も起こらないという。
サムスンのエグゼクティブバイスプレジデントでデジタルメディア通信研究開発部門を率いるキム・チャンヨン氏は、次のように述べている。
「ミリ波帯は、近年の無線インターネット利用の急増に対する最も効果的なソリューションだ。このほどアダプティブアレイ送受信技術の開発に成功したことで、サムスンはミリ波帯を用いた5Gモバイル通信商用化の実現に一歩近づいた」
5Gネットワークの開発は速いペースで進んでいる。中国は5Gの研究開発に取り組む推進団体を設立した。また、欧州委員会(EC)は2020年までに5G技術を商用化することを目指し、2013年内に5000万ユーロを投じる計画だ。
サムスンによると、次世代モバイル通信の研究開発の競争は「ますます激しくなって」いるが、同社が5Gの商用化に必要な中核技術を開発したことで「国際的な協力関係が生まれ、関連するモバイルブロードバンドサービスが適時に商用化」されることが期待できるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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