Qualcommのクアッドコアプロセッサである「Snapdragon 600」(1.9GHz)を搭載した4G LTE機器(具体的にはAPQ8064TプロセッサとMDM9215モデムを搭載)であるGALAXY S4は、市場に出回っている携帯電話のなかで最速の部類に入る(販売国によっては、サムスンの8コアプロセッサである「Exynos 5 Octa」チップセットが搭載されている)。
データの転送速度は当然ながら、使用時点でのネットワークの状態に依存している。サンフランシスコではまだLTEが利用可能になっていないため、今回はT-MobileのHSPA+ネットワークでのレビューを行った。速度は現実的なテストと診断テストの双方において完全に予想通りの結果となった。Speedtest.netの診断アプリを使用してみると、ダウンロード速度が1桁(数Mbps)というレベルになっており、アップロード速度は目盛りの最低値(1Mbps)を示すという遅い結果となった。
米CNETをはじめとする実世界のウェブサイトは極めて迅速にオープンし、モバイル向けに最適化されている場合は特にそう感じた。また、アプリのダウンロードも速かった。写真の送信には時間がかかったものの、その理由の1つとしてデフォルトが13メガピクセルでの写真撮影であり、画像サイズが8メガピクセルの画像よりもずっと大きくなる点が挙げられる。
プロセッサについて述べておくことがある。米国で販売されるGALAXY S4のプロセッサは(英国で販売されるモデルも)8コアではなく4コアとなっているものの、それについて文句を言う必要はない。この携帯電話では遅さを感じることはない。Qualcommは恐ろしく高速なプロセッサ群を開発し、GALAXY S4はその最上位機種を搭載しているのだ。以前にも書いたように、コアの多さとパフォーマンスの高さは一致するわけではない。4コアと8コアを比較する場合も、2コアと4コアを比較する場合と同じ原則が適用できるのである。
サムスンGALAXY S4(T-Mobile) | |
---|---|
CNETモバイルアプリのダウンロード(3.8Mバイト) | 17.5秒 |
CNETのモバイル向けサイトのロード | 6秒 |
CNETのデスクトップ向けサイトのロード | 12秒 |
ロック画面が表示されるまでの起動時間 | 23秒 |
カメラの起動時間 | 2秒 |
撮影後、次のシャッターを切れるまでの時間 | 1.5秒(オートフォーカス時)、または0.1秒(バーストモード時) |
GALAXY S4のグラフィック処理やその速度を評価するために、筆者は何度もビデオの再生やゲームを試してみた。ゲームは俊敏に動作し、応答性にも優れており、ビデオには完全に没入できた。HTC OneとGALAXY S4を比べてみたところ、Quadrantの診断テストでより優れた成績を収めたのはHTC Oneの方であった(スコアは12194対11381)。もっともHTC Oneには能力の若干低いチップセット(QualcommのクアッドコアプロセッサであるSnapdragon 600であるが、その駆動周波数は1.7GHzとなっている)が搭載されている。
現実的な使用では、速度の違いは認識できなかった。いずれの携帯電話も高速であった。
GALAXY S4に搭載されているバッテリの容量は、GALAXY S IIIに搭載されている2100mAhのものよりも20%大きい2600mAhとなっている(しかしGALAXY S4はGALAXY S IIIよりも薄くなっている)。とは言うものの、画面が少しばかり大きくなり、搭載されている機能も増えているため、電力消費量も増加している。ビデオの再生や、ゲームのプレイ、楽曲のストリーミング、「S Voice」や「S Voice Drive」の使用によって、他の作業時よりも急速にバッテリが消費されていくという点を忘れないようにする必要がある。
サムスンは米国ではこの旗艦ハードウェアにおいて、内部ストレージ容量の異なる3モデル(16Gバイト版と32Gバイト版、64Gバイト版)を用意している。16Gバイト版の価格は通信キャリアと契約する場合には199ドルからとなっている。なお、この携帯電話には64GバイトまでのmicroSDを挿入できる拡張スロットが用意されているため、通信キャリアは16Gバイト版と32Gバイト版の販売に特化するはずだ。従って、64Gバイト版を入手するには、ロック解除版を探すか、オンラインで購入する必要がある。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境