パナソニックは5月10日、2013年3月期通期(2012年3月~2013年3月)の連結決算を発表した。売上高は7兆3030億円(前年比7%減)、営業利益は前年の437億円から1609億円となった。売上高は減少したものの固定費の大幅削減により営業利益は前年から大幅に改善された。ただし、のれん・無形資産の減損、繰延税金資産の取り崩しなどにより、税引き前損失は3984億円(同8128億円の赤字)、当期純損失は7543億円(同7722億円の赤字)と、多額の純損失を計上した。
事業再編に取り組むAVCネットワークス分野は薄型テレビ、BDレコーダー、デジタルカメラなどの売上が減少し、売上高が1兆3739億円(同20%減)と大幅な減収となった。ただし営業利益は固定費削減や構造改革効果により、2011年度の678億円の赤字から199億円へと黒字へ転換している。
懸案のテレビ事業に関しては「固定費を含めた改善をしていく。パネル事業は非テレビへとシフトしていっているので、その改善効果は大きい」(パナソニック 常務取締役河井英明氏)と話した。
また携帯電話やオフィス機器などを持つシステムコミュニケーションズは、売上高7409億円(同12%減)、営業利益124億円(同29%減)となった。セキュリティ事業は好調に推移したものの、携帯電話やオフィス機器などへの売上減が減収に結びついたとのこと。営業利益も前年から悪化している。
一方、堅調に推移したのがオートモーティブシステムズだ。売上高は7829億円(同20%増)、営業利益は前年の49億円から166億円へと大幅に改善。これは北米や南アジア地域での市況が回復したこと、国内でのエコカー補助金などによる車両販売台数の増加などが寄与しているという。
2014年3月期の年間業績に見通しについては、売上高7兆2000億円、営業利益2500億円、税引き前利益1400億円、当期純利益500億円と予測。「2013年度は赤字の改善が大きな柱の1つ。テレビを中心に赤字事業は現在5つ程度あるが、2014年度にはほとんどの事業で黒字化を目指す」と取り組みを明確に示した。
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