DeNA、国内モバコイン消費額減少も「再成長できる」--出遅れアプリに注力

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は5月9日、決算説明会を実施し、2012年度業績ならびに第4四半期(1~3月)決算を発表した。

 2012年度の通期連結決算は売上収益が2025億円(前年比38%増)、営業利益は768億円(同28%増)、当期利益は452億円(同46%増)。第4四半期については売上収益が523億円(前年同期比22%増)、営業利益は182億円(同3%増)、四半期利益は121億円(同29%増)となった。

 この第4四半期について、海外のMobage市場の拡大ならびにモバコイン消費が順調に進んでいるという。投資フェーズであるためコストも同程度増えているとしているが、さらなる成長を見込み、最大部門のMobage Westは今夏の黒字化を目指すとしている。

ディー・エヌ・エー代表取締役社兼CEOの守安功氏
ディー・エヌ・エー代表取締役社兼CEOの守安功氏

 一方、国内のコイン消費額は583億円で、直前四半期と比較して15億円減少し、四半期ベースでは初めてマイナスに転じた。この理由としては、内製や協業・サードパーティとも消費額は直前四半期と同等だったものの予想したほどには伸びず、特に内製については新規タイトルでヒットを生み出せなかったとしている。このことを含めて、代表取締役社兼CEOの守安功氏は2012年度の国内におけるMobage事業の成果と反省点を説明した。

 成果は、1年前のコンプガチャ問題についてプラットフォームとして対応し、結果的に売り上げの成長を止めることなく環境整備を推進することができたこと。そして2012年度以前に投入した内製や協業の既存タイトルについては、特に大型のタイトルについて長期的に収益を生む運用ができたことを挙げた。

 一方反省点は、内製の新作タイトルが四半期に1本程度しかリリースできず、いろんなジャンルに挑戦できなかったことや提供ジャンルが拡大できなかったことをまず挙げた。そして国内でのアプリ市場への取り組みが遅れたことも加えた。これまでアプリについては海外向けのほうを注力して取り組んできたが、国内アプリ市場全体が想定した以上に拡大してしまったとしている。

 2013年度の国内戦略として、まず海外向けの開発経験やノウハウを活かし、国内でもアプリ提供を積極的に行うことを挙げた。また、膨大な数があるゲームのなかから、興味や関心を引く「関心のフック」の要素を加えたゲームを提供していく。そして強みとしている運用力をベースとし、ブラウザやアプリそれぞれで強みを持つパートナーとの共同開発を推進。ライン数と提供ジャンルを拡大し、再度市場を広げて獲得していくトレンドを作っていくとしている。具体的には今夏以降、ブラウザとアプリの両市場に向けて、あわせて月2本のペースで投入を予定している。

 「国内のアプリ市場は想定以上に拡大している。ポジティブに考えると、再成長できる余地があるということ。また海外向けにヒットタイトルは出せているので、アプリゲームのノウハウも積んでいる。今期はアプリマーケットに飛び込んでいって、遅れた分を取り戻し再成長を遂げたい」と語った守安氏。2013年度第1四半期は直前四半期に比べると減益と予想しているが、海外でさらなる成長が十分見込めることや、現段階では国内の再成長のための仕込みをして、下半期から大きく伸ばしていきたいとしている。

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