ソフトバンクは4月30日、米携帯電話事業者Sprint Nextelの買収に関する説明会を開催した。これは、決算説明会の後に行われたもの。主に米国のメディアやアナリスト、Sprintの株主向けの内容で、Twitterで受けた「孫さんの英語のプレゼンを聴きたい」というリクエストに応えた形で、すべて英語で行われた。なお、記者会見の映像はウェブサイトから英語版、日本語版ともに見られる。
まず、おおまかに流れを整理しておこう。ソフトバンクは2012年10月、Sprintを買収することで合意したと発表。
具体的には、ソフトバンクはいったんSprintの米国持ち株会社を買収し、新Sprintを設立。ソフトバンクが新Sprintの70%の株式を、残りの30%はSprintの既存株主が保有するというものだ。買収総額は当時の価格で1兆5709億円(約201億米ドル)。
このまま順調に進めば、買収手続きは7月1日までに完了する。ところが、そこに「待った」をかけたのが、米国の衛星テレビネットワーク企業DISH Networkだ。2013年4月、DISHはSprint Nextelに255億ドルの買収案を提示した。DISHによると、この提示額は2012年10月にソフトバンクが提示した201億ドルに13%のプレミアムを上乗せしたものだという。
DISHの主張によれば、ソフトバンクが提案する1株当たりの価値は6.22ドル。それに対し、DISHは7.00ドルとし、DISH Network会長のCharlie Ergen氏は、「Sprintの株主にとって、審査待ちのソフトバンクの提案よりもDISHの提案の方が有利な選択肢であるのは明らかだ」と主張。今回のソフトバンクによる説明は、DISHの提案に対する反論だ。
ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、「彼らの主張する価値は、我々よりも上回っているという。これは本当に正しいのか、ミスリードではないか?間違っていると言わせていただきたい」と切り出した。
「7.00ドルというのは誤解を招きかねない数字。新株発行による希薄化を考えないとならない。追加の負債で買収しようとしている。また6億ドルの違約金に加え、弁護士費用などの取引関連費用が4億ドル。合計10億ドルぐらいはかかるだろう。それが彼らの提案には加味されていない」と語った。
ソフトバンクの主張によれば、シナジーを考慮した1株当たりの現在の価値は、ソフトバンクが7.65ドルで、DISHは6.31ドル。ソフトバンクのほうが21%上回るという。
「2つの数字を比較するとき、正しい条件で比較する必要がある」とし、ソフトバンクの優位性を11の側面から比較する表を示した。
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