KDDIは4月30日、2013年3月期通期(2012年4月1日~2013年3月31日)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比2.5%増の3兆6622億8800万円、営業利益は同7.3%増の5126億6900万円、経常利益は同14.0%増の5144億2100万円、純利益は同1.2%増の2414億6900万円となった。
LTE端末を中心とした端末販売収入やデータ通信料収入の増加、auひかりを始めとするFTTHサービス収入などの増加が、「毎月割」など各種割引サービスによる通信料収入の減少を上回った。通期での端末販売台数は1107万台で、このうちスマートフォンの販売台数は812万台。
指定の固定通信サービスに契約することで、最大2年間スマートフォンの月額料金を1480円割引く「auスマートバリュー」は、スマートフォンの契約数が386万、固定通信サービスの契約数が212万となり、いずれも期初の予想を大幅に上回った。なお、スマートフォンの新規契約のうち39%が、auひかり(FTTH)の新規契約のうち55%が、auスマートバリュー経由となる。
また2012年3月のサービス開始時点では、固定系提携事業者はFTTHが4社、CATVが41社(118局)だったが、現在はFTTHが5社、CATVが106社(189局)へと拡大している。FTTH/CATVの戸建向け提供エリアでは世帯カバー率が約80%にのぼるという。
月額390円で500本以上のアプリを自由にダウンロードでき、10Gバイトのストレージなどを提供する「auスマートパス」も、期初の予想値であった500万会員を大幅に上回る574万会員を達成した。KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は「3月のスマートフォン購入者の約9割がauスマートパスを契約している。我々のスマートフォンのほぼデフォルトのサービスになってきている」と胸を張る。
解約率は0.67%で、ソフトバンクモバイルの1.12%、NTTドコモの0.86%と比べて業界最低水準であるほか、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)も2011年10月から18カ月連続でナンバーワンを維持している。また、また純増数も2011年3月期下期の19%から37%へと約2倍に増加した。
高速通信サービス「au 4G LTE」の実人口カバー率は96.4%を達成。また、2013年度末までに99.9%まで拡大する予定だ。なお、KDDIは同日の会見で、4月中旬以降に相次いで発生した通信障害について謝罪している。
田中氏は2010年12月にKDDIの社長に就任し、2011年度は解約率の低下や純増数の拡大など“事業基盤の立て直し”に向けた取り組みを進めてきた。続いて、2012年度は“成長起点の年”と位置づけ、「マルチユース」「マルチネットワーク」「マルチデバイス」の3つの頭文字からなる「3M戦略」を推進してきた。
田中氏はこれまでの約2年間を振り返り「成長起点の基盤ができたと認識しており、これから3年間は本格的な利益拡大フェーズに向かっていく」とコメント。利益拡大に向けた施策として、auスマートバリューの顧客基盤の拡大やauスマートパスのコンテンツ拡充による「3M戦略の推進・深化」と、アジアを中心とした「グローバル戦略の推進」の2点を挙げた。
また、これらの取り組みに加えて、4月からはJ:COMが連結子会社化することなどを挙げ、2013年度は営業利益、EBITDA、純利益のいずれにおいても「前期比20%超えの増益を目指す」と意気込んだ。
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