Facebook Homeにおける日常的な操作と使用感についてはいまだに多くの疑問が残っている(そういった疑問のなかには、Facebook Homeが画面のロック機能をも持つのであれば、携帯電話のコンテンツのプライバシーがどの程度守られるのかといったものも含まれている)。
Facebookがこの携帯電話を用いたビデオチャットのデモや話題を避けたのも、筆者には大きな機会を逃したように感じられた。Facebookはユーザーの携帯電話を、最も重要かつ類のないコミュニケーションハブにしようという野望を抱いている事実を考えた場合、特にそう感じられた。
あなたがFacebookの経営者なのであれば、Facebook Homeに欠けているのは広告だと答えるだろう。同社の最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏も、広告は今のところ欠けているとはいえ、同社の収益戦略で大きな部分を占めていると認めている。Facebook Homeは、ソーシャルネットワークにどっぷりつかっている層に向けてターゲット広告を送り出す明確な手段なのである。
アプリを中心に据えた従来のレイアウトに慣れている人々にとって、Facebook Homeはちょっとしたまごつきや、押しつけがましさを感じさせるかもしれない。実際のところ、Facebook Home自体の主要目的以外、すなわち携帯電話に搭載されているその他の機能を使うには同アプリを抜け出なければならない。とは言うものの、それこそが真の目的というわけだ。
使いこなせるようになるまでには若干時間がかかる。また、その難しさはナビゲーションのための画面制御についてだけの話ではない。さらに重要なのはFacebookがユーザーに対して、携帯電話の使い方を学習し直し、電子メールをチェックする前にまずFacebookの友達の様子を確認し、携帯電話をソーシャル主体のデバイスと見なすよう要求している点である。
またFacebookは、ユーザーがFacebook Homeを通じて、Android固有の機能よりもFacebookのサービスを使い始めるようになってほしいと考えている。
とは言うものの、Facebook Homeによって携帯電話のエクスペリエンスが大きく変わるため、Facebookに深く入れ込んだユーザー(マニアと読み替えてほしい)以外、同製品を用いて携帯電話をFacebook一色に染め上げたいと考える人がいるとは考えにくい。
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