4月1日~4月7日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
新生活・新学期がスタートして1週間が過ぎた。日本の桜前線も北上を続けており、一方春の嵐にも見舞われ、少し落ち着かない1週間だったのではないだろうか。筆者が住んでいるカリフォルニア州ベイエリアでは、気温はとても春らしいものの、朝夕の霧で気温の低下が早いように感じられる。そして日本と同じように、花粉の飛散もあり、花粉症を発症している筆者としてはちょっと逃げ切れなかった感覚もする。
それでは先週のAppleニュースを振り返ってみよう。
Appleは毎年6月に年次開発者イベントWWDCを開催する。2012年のモバイル向けの発表はiOS 6であり、これと組み合わせる最新のスマートフォンiPhone 5は秋に発表されている。WSJの先週の報道によると、今度のiPhoneは夏にリリースされるとのことだが、「夏」の範囲が初夏なのか、晩夏なのかは分からない。これは開発の遅れが伝えられているiOS 7の出来次第になるかもしれない。
次のiPhoneは現行モデルと大きくデザインが変わらないハイエンド版と、新たなローエンド版の2種類が用意されるとの報道が続いている。いずれにしても大きく代わり映えしないとの見方が強い。その一方でiOSの次期バージョンは、Jonathan Ive氏がプロダクトだけでなくソフトウェアのデザインにも関与するようになってから初のメジャーバージョンアップとあって、どのように変化するか期待される。
これまでAppleのデザインは、実物を画面内で再現して表現する「スキュアモーフィズム」という手法が用いられている。例えばiBooksの木製の本棚や、メモアプリの革張りのノートパッド、Podcastアプリに至っては今は使われないテープレコーダー。このように少し古いノスタルジックなもので何をするためのアプリなのかをユーザーに伝え、その使い方をアナログなものの経験から想起させていた。
しかしIve氏があまりこの手法を気に入っていないとの記事も多く出ており、iOS 7ではこれが大きく変えられるのではないかと見られている。ただし、スキュアモーフィズムではないユーザーインターフェイス(UI)のデザインは、Appleは最後発に位置することになる。
Windows PhoneやWindows 8などに見られるタイルとタイポグラフィのデザインは非常に洗練され、AppleのUIとは違った新鮮さと使い勝手を作り出している。Googleも線の細いフォントとすっきりしたUIへと進化させている。そして先週発表されたFacebook Homeは、写真を中心としたUIの例としてあげられる。
こうした環境の中で、Appleがどのようなデザインを打ち出してくるのか、非常に楽しみだ。
またFacebook Homeについては、FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏が「Appleとの間で実現されることのすべてが、提携によって実現される。GoogleのAndroidはオープンであるため、われわれがGoogleと連携する必要はない」と発言しており、Facebook Homeの実現にAndroidのオープンさが不可欠であったことを述べている。
プラットホームの柔軟性の面で優れているAndroidは、ホーム画面も含めて、より使いやすい環境を独自に進化させられる点が魅力であり、AppleやMicrosoftがこうした進化に追いついていけるかどうかも注目だ。
アップルの「Safari」、モバイルブラウザ市場でシェア回復--61%で首位を維持(4月2日)4月1日に、AppleがiOS/OS X向けに提供しているメッセージサービスiMessageのセキュリティ問題が報じられた。大量もしくは長文のメッセージを繰り返し送ることによってメッセージアプリとサービスが不安定するというものだ。数千ものメッセージを送ることで不安定化させ、iMessageのなりすましなどを狙う基本情報の取得を試みたと見られている。
一方で、こうしたセキュリティ問題を打ち消すかのような文書が米国で明らかになっている。米国麻薬取締局によると、米国政府による合法的な傍受活動の中で、暗号化してやりとりされるiMessageを監視できずにいるという。
アップルの「iMessage」にセキュリティ問題が新たに発覚か(4月1日)前号でもご紹介したApple製品の中国国内での保証問題や商標問題。商標については裁判所での公判によって解決されるとして、保証問題については中国の国営メディアがAppleを批判する事態にまで広がっていた。そこでAppleは先週、Tim Cook CEOの署名入りで保証問題について謝罪文を掲載し、中国国営メディアThe Global Timesはこれを「尊敬に値する」と評価した。
Cook氏による謝罪文の掲載の裏には、中国の通商監視機関である国家工商行政管理総局の介入が予測されたことと、今後Apple製品の新たな巨大市場と見られる中国でのブランドを保持しておきたかったという2つの点があったのではないか、と見ている。特に、iPhoneについては、世界最大の携帯電話会社であるChina Mobileでの発売で新たに数億人規模のユーザーを獲得できる可能性があり、穏便に事を済ませたかったという意向は理解できる。
アップルのクックCEO、中国での保証問題に関する謝罪声明を掲載(4月2日)一方、同じアジアの国である韓国とは、Samsungとの訴訟関連で一進一退が続いている。2012年8月の裁判でAppleが概ね勝利し、Samsungに対して10億ドルを越える賠償金が課された。しかしその根拠となる特許の一部である画面のバウンスに関して、米国特許商標庁(USPTO)の決定によって、賠償金の減額が行われるかもしれないという。AppleはSamsungとの訴訟に関する特許の有効性を主張している。
一方で、米国国際貿易委員会(ITC)は、SamsungがAppleのテキスト選択に関する特許を侵害しているとの仮決定を下した。この件に関するITCの投票は8月に行われるが、ここでAppleを支持する決定がなされると、米国内でのSamsung端末の販売が制限される可能性がある。
米特許商標庁、アップルの一部特許に最終拒絶理由通知--対サムスン訴訟で(4月3日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス