3月11日~3月17日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
サンフランシスコにはWBC日本代表チームがやってきて、3月17日日曜日にAT&Tパークで試合が行われた。惜しくもプエルトリコに3-1で破れてしまったが、サンフランシスコやシリコンバレーに住んでいる日本人がたくさん声援を送った。
筆者も急遽チケットを取って応援に行ったが、ここで役立ったのがPassbookだった。MLB.comのアプリがPassbookに対応しており、ウェブで取得したチケットの確認で送られてくるメールに、Passbookにチケットを読み込むためのボタンが仕込まれており、これをiPhoneからタップすると、自動的にiPhoneに野球のチケットが入る。ゲートでiPhoneのバーコードを読み取ってもらえば入場できる仕組みだ。
実は、チケットを取ったのが直前だったため、一晩で届くFedExの郵送でもちょっと間に合わなかったくらいのタイミング。しかも速達は19ドルもする。ウェブでチケットをプリントアウトするという方法もあるのだが、残念ながら我が家にはプリンタがない。PassbookでワンタッチでチケットがiPhoneに入れられる体験はとてもシンプルでありがたかった。
さて、それでは先週のApple関連のニュースを見ていこう。
3月14日にSamsungはニューヨークで主力のフラッグシップスマートフォンGalaxy S4を発表した。4月下旬から米国で販売される。Samsungは2月にバルセロナで開催された世界最大のモバイル展示会Mobile World Congressにも出展していて、ここで新型スマートフォンの発表を行ってもよかったように思われる。
しかしあえてニューヨークを選んだことには意味がある。米国市場でのアピールと、裁判などでAppleの競合であることを印象付けているが、米国でエンターテインメントを絡めた発表会を行うことで、それをさらに強調すること、そして変化の少ないiPhoneに対して先手を打って先進性をアピールすることなどが考えられる。
そんな中、AppleのPhil Schiller氏は、Appleの役員としては珍しくThe Wall Street Journalのインタビューに応じ、Galaxy S4が発表されると見られていた前日に、Androidの断片化や、フィーチャーフォンの代替として無償で提供されている点、セキュリティ、少ない設定での体験、iOSへの乗換がAndroidの4倍だったことなどを指摘した。
Appleは2012年の第4四半期に、米国市場で初めてスマートフォンの出荷台数でSamsungを抜いてトップの座に輝いているが、この座が安泰でないことは市場関係者やユーザーのiPhoneへの期待から考えても明らかであり、Appleも認識しているものと考えられる。
アップルのマーケティング担当幹部、「Android」を批判--WSJインタビューで(3月14日)興味深い写真が流出している。iPhoneは2007年に初代モデルがリリースされたが、それ以前に制作されたと見られるiPhoneの初期のプロトタイプの写真がウェブで公開されている。写真を見ると、どちらかというとiPhoneというよりiPad miniと同じようなサイズで、プロトタイプらしくさまざまな外部ポートが装着されている。厚みは51mm、しかし中身のARMプロセッサはSamsung製の変形版で、これは初代iPhoneのものと同等とのことだった。
Appleのプロトタイプは、デザイン面と具体的なハードウエアやソフトウエア面で、全く違った雰囲気を見せてくれる。デザイン面ではより実際の製品を想定したデザインを見ることができ、ハードやソフトはその限りではない。しかし新しいAppleの体制では、この点がどのような変化をもたらすか、また数年後に明らかになるのかもしれない。
「iPhone」の初期プロトタイプ画像が流出か--「iPad mini」と同等サイズ?(3月12日)Appleの秘密主義は、時にあっと驚きを与えてくれる一方で、プロフェッショナルの間では苛立ちも隠せない様子。特にMac Proはプロユースで支持されているMacであるが、長らく新モデルは出てきていない。ノートブック型も含めて、新しいMacにはUSB 3.0やThunderboltといった新しいテクノロジが採用されているが、Mac Proにはまだ。最上位機種のはずなのに、というストレスを抱えるのも無理はない。
筆者の周りのMac Proユーザーも、手元にあるモニタを生かすためMac miniやMacBook Pro Retinaディスプレイモデルに乗り換えたり、消費電力の低さなどからiMacを選んだり、Mac Pro離れやその代替探しで情報交換が盛んだ。29インチのiMacと、29インチのシネマディスプレイの組み合わせで2つのスクリーンのデスクトップ環境を整えるといったアイデアもある。
そして懸念されるのがWindows PCへのユーザーの流出だが、ソフトウェア資産の問題や作業環境から、特にビデオ系はよほどのことがない限り流出しないのではないか、と見ている。
我慢の限界にいる「Mac Pro」ユーザー--アップルの秘密主義へのいら立ち(3月15日)タブレット市場についてのIDCの市場予測に少し衝撃が拡がった。これまで長らく過半数以上のシェアを保ってきたAppleのiPadがその座をAndroidに譲るというからだ。IDCによると、タブレット市場におけるAppleのシェアは2012年の51%から2013年は46%に低下すると見ている。
タブレット市場は7インチ前後の小型にシフトし、iPad mini、Nexus 7とKindle Fire HDを軸に市場が動いていくことになる。しかし同時に、MicrosoftやAppleは9~11インチクラスのタブレットをどのようなポジションに再定義するのかについても注目したい。
タブレット出荷、小型版が好調--「Android」搭載端末が堅調との見通しも(3月13日)1つ、短い話を。OS X Mountain Lionが10.8.3へとアップデートし、さまざまな修正が施されたが、この中に、Mac App StoreのプリペイドカードをiSightで読み込ませることができるようにする更新が含まれていた。これは、iPhoneやiPadでiTunesギフトカードのバーコードをカメラから読み込ませる機能と同じものであり、iSightカメラの使い方としては、人の顔を映す以外の使い方に進出したということになる。
NFCではBluetoothのペアリングをタッチで行うようにする機能などが搭載されているが、こうした既存のデバイスや機能を新しい用途に適用するというアイデアは、今後もますます出てくることになるだろう。
アップル、「OS X 10.8.3」とファームウェアアップデートをリリース(3月15日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」