また、コーポレートサイトであるにもかかわらず、広告枠の売れ行きも順調だという。ブログで紹介された「ページTOPへ戻る」ボタン下部に数秒だけ表示される広告も、数カ月先まで広告主がついている。「みんなで、『戻るボタンが(映画:天空の城ラピュタに登場する)ラピュタみたいに大きかったらおもしろくない?それにバナーも付けて売ったら』なんて話していて、実験的にやってみたんです。ですが結果的にはクリック率10%超というすごいバナーになりました」(岩上氏)
コンテンツを作るには人的にも時間的にもコストはかかるが、実際に成果が出てきたというLIG。注目が集まることを実感する一方で、遊び心を持ってコンテンツを制作するということは忘れないようにしている。「2012年は(コンテンツ作成のための)投資の年だったと考えていたこともあるんですが、海に行っても、山に行っても、まずは楽しければいいやと思っていました。これを仕事だと思うとしんどいですよね」(岩上氏)。そんな考えなので、コンテンツありきではなく、社員の行動が結果としてコンテンツになるということも多々ある。夏季休暇をアナウンスするブログエントリーも、社員から「暑くなってきたからプールに行きたい」という声がまずあり、そのあとで「だったらプールに入ってそれを記事にしよう」となったのだという。
当初社員10数人のうち1~2人が関わっていたメディア事業部の編集チームも、全社員約30人中5人まで拡大した。前述の通り外部ライターも募集し、サイトの拡大路線を続ける。「お客さんが求めるのはおもしろ系のコンテンツ。だが全体のバランスは考えないといけない。そうなったとき、外部のライターが重要になると思っています」(岩上氏)。同社では来期400万PVの達成と、コンテンツでの売り上げ強化を目指す。
運用面では引き続きユーザーとの親近感を重視していく。「実は、TwitterもFacebookページも、(人的な)コストがものすごくかかっています。いろいろと話しかけられたり、会いたいと言ってくれる人をなるべく拒まないようにしています。先日は、海パン一枚でマッチョな男性5、6人くらいのパフォーマーが来社して社内で踊って、それをメディア事業部の人間が正座して見ているなんていうこともありました。正直さっぱりお金にならない部分に一番コストがかかっているのですが、そういうところまでやらないとファンになってくれないと思っています」(岩上氏)
最後にLIGのメンバーに聞いた、1年の経験で得たオウンドメディア運営のポイントを紹介する。
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