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「LINE」新体制の狙い--「第2章の幕開け」

藤井涼 (編集部)2013年04月03日 11時58分
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 1月に世界での登録ユーザー数が1億の大台に乗った無料通話・メッセージアプリ「LINE」。その勢いはとどまることを知らず、4月時点でユーザー数は1億3000万まで増加。連携サービスである「LINE GAME」も公開から7カ月で1億ダウンロードを超えた。

 この急成長を受けNHN Japanは、4月1日に会社名を「LINE株式会社」に変更し、ゲーム事業を分社化した。今後はLINE株式会社で「LINE」や「NAVER」「livedoor」などのウェブサービス事業を運営し、ゲーム事業は新会社の「NHN Japan株式会社」が引き継ぐ。当初は会社名をHangame株式会社にする予定だったが、NHN Japanとして2003年からゲーム事業を展開してきた経緯もあり、同様の商号で展開することにした。

 2012年1月の経営統合からわずか1年3カ月での社名変更、そして分社化の狙いはどこにあるのか。新体制から間もない4月2日に、LINE代表取締役社長の森川亮氏と、同社執行役員の舛田淳氏に聞いた。


LINE代表取締役社長の森川亮氏(右)と同社執行役員の舛田淳氏(左)

――4月1日から新体制になりました。まずは率直な気持ちを教えて下さい。

 森川氏:(新体制は)新たなスタートだと思っています。これまで会社の規模も大きくなっていましたが、分社化によって改めてベンチャーとしてやっていこうという気持ちですね。幸いどのサービスも数字は増えていますが、この業界は変化が早いので、現状に満足することなく気持ちを引き締めてやっていこうという覚悟ができたところです。

 舛田氏:社名変更はまさに今後の展開のための布石でもありますし、通過点でもあるので、社内を含めてそれほど何か大きなインパクトがあったということはないですね。ただ社員のモチベーションも上がったと思いますし、もともとNAVERの下位サービスだったLINEが、公開から20カ月ほどで、ひとつのブランドとなって社名になるというのは、生みの親としては非常に感慨深いものがありますね。

――会社名をLINEにした理由は。

 森川氏:これまではNHN Japanでしたので、どちらかというと韓国の子会社という位置づけでした。それによってサービスも複数になっていて、分かりにくいところがあったのかなと思います。それがこれからはLINEを軸に事業を展開し、かつ(LINEの)本社も日本になるということで、よりユーザーの皆さんに受け入れられやすくなりますし、意思決定のスピードも早くなりますね。

――なぜ分社化する必要があったのでしょうか。

 森川氏:最大の目的はプラットフォーム(LINE)とコンテンツ(ゲーム)を切り分けることです。一緒にいるとやりやすい部分もありながら、LINEがプラットフォームとして世界に出ていくという観点では、自社コンテンツばかりを優遇するわけにはいきません。一方で、ゲームコンテンツを他のプラットフォームにも提供したいという思いもありました。ある意味、別々の方がビジョンを具体化しやすいところがあって、かつ会社の規模が大きくなりすぎてスピードが失われるリスクもありましたので、このタイミングで分かれることにしました。

――当初は、NHN Japan(ゲーム事業)の代表も森川氏が兼任すると発表していましたが、加藤氏が就任しました。その理由は。

 森川氏:現実的にやはり難しいんですよね。プラットフォームとコンテンツを分けるからには、それぞれのビジョンが異なるので、片方にこういって、もう片方にはこういってとなると責任がとれない。そこで、ゲームに関しては次の世代にバトンタッチすることにしました。彼らにはぜひパズドラ(パズル&ドラゴンズ)のようなヒット作を作ってほしいですし、私はLINEを育てていくことでより日本を元気にしていきたいです。

――NHN JapanではLINE向けのゲーム以外も手がけていくのでしょうか。

 舛田氏:LINEはプラットフォームとして進めていきますので、これまでのようにゲーム開発のスタジオ機能はありません。スタジオ機能は分社化するNHN Japanが持ちまして、当然LINE GAMEにもゲームを供給しますが、その他のプラットフォームに提供していく可能性もあります。またPCのハンゲームも成長させていきます。目標としてNHN Japanのメンバーと話しているのが、LINEはプラットフォームとして、NHN Japanはゲームスタジオとしてそれぞれ世界でナンバーワンを目指しましょうと。そうすることで、これまでは1だったものが、1+1でもなくて10×10になるかもしれません。そういった可能性を究極的に追求していこうと、お互いにエールを送りあうということですね。

 森川氏:LINEからすればぜひLINEで展開させてほしいと思うゲームを開発してほしいですし、NHN Japan側としてもむしろLINEから頭を下げてくるくらいのタイトルを世に出したいと思っています。

――分社化の前に、いくつかのlivedoorサービスの終了が発表されました。これからはよりサービスの集中と選択が進んでいくのでしょうか。

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