主力となるスマートフォンは、中に最高の部品が詰まっていなければその呼び方に値しない。しかし、この点でHTC Oneに失望することはないはずだ。この堂々たるマシンには、Qualcommが出荷を始めたばかりの1.7GHzクアッドコア「Snapdragon 600」プロセッサが搭載されている。筆者が知る限り、HTC Oneは公式にこのCPUを搭載した最初のデバイスだ。これだけのために、このデバイスをのどから手が出るほど欲しがるスマートフォン中毒者がたくさんいるはずだ。
HTC Oneには、32Gバイト(本体内ストレージ)と64Gバイトの、2つのメモリ容量の設定が用意されている。どちらの場合も、RAMは2Gバイトの大容量だ。
簡単なベンチマークテストでも、HTC Oneの処理パワーが確認できた。筆者がテストしたアンロック版HTC Oneは、Linpackのスコアで661.4MFLOPSをたたき出し(マルチスレッド)、テストは0.26秒で終了した。さらに、このデバイスは1万2149という天文学的なQuadrantのスコアを記録した。どちらの結果も、筆者がこれまで計測したAndroidスマートフォンの中でもっとも高く、HTC OneがHTC Droid DNA(Linpack 401.6、Quadrant 8165)を超えるものであることが証明された。
HTC Oneが恐ろしく高速なマシンであるという印象は、使ってみた経験でも裏付けられている。このデバイスは、メニュー画面のスクロールも、アプリの起動も、ウェブページの表示も非常にスムーズで、動作のひっかかりはまったくなかった。
電源の2300mAhのバッテリは、その数字からはそれほど大したものには感じられない。特に、Motorolaの「Droid Razr HD Maxx」(3300mAh)のような超大容量のスマートフォンと比べると大きくないように感じられる。しかし、これよりも小さい2020mAhのバッテリを持つHTC Droid DNAは、米CNETの動画再生によるバッテリ消費テストで、8時間43分もの長時間を記録している。
バッテリ持続時間の面では、HTC Oneは失望させるような結果は出なかった。このスマートフォンは、米CNET Labsの動画再生によるバッテリ消費ベンチマークで、Droid DNAに優る9時間37分を記録した。
その高性能な部品に合わせて、HTC Oneは最新のAndroid OSである「Android 4.1.2」(開発コード名:「Jelly Bean」)の機能をフルに搭載している。また、Androidの上に、HTC製の「Sense」UIの新バージョンを搭載している。予想している人もいるだろうが、最新バージョンのSenseには、人によって便利に感じる人も、感じない人もいるであろう機能強化が施されている。
第1の機能強化は、HTCが「BlinkFeed」と呼ぶもので、これはさまざまなニュースソース、ブログ、ウェブサイト(CNETを含む)からのコンテンツを表示する、動的なタイルからなるメインのホーム画面だ。「Flipboard」や「Pulse」といった、人気のあるニュース集約ソフトを知っている人であれば、イメージは分かるはずだ。
BlinkFeedにはいくつか欠点もある。最大の欠点は、完全にこの機能をオフにすることができないということだろう。デフォルトでは、BlinkFeedの画面がメインのホーム画面に設定されている。ただし、HTC Oneが持つ別のホーム画面の1つを、メインのホーム画面に設定することはできる。
もう1つBlinkFeedに関して煩わしいと思ったことは、選ばれた固定の情報源からしかコンテンツを引っ張ってこれないことだ。これは、ニュースを流し読みするだけであれば問題にならないだろうが、より絞り込まれた情報を表示させようとして設定を変更しようとすると、おそらく問題に突き当たるだろう。
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