Flipboardは3月27日、「Flipboard」の最新版iOSアプリを公開した。App Storeより無料でダウンロードできる。Androidアプリに関しては、数週間のうちに最新版を公開する予定。
Flipboardは、スマートフォンに特化したニュースアグリゲーションアプリだ。提携するコンテンツ提供者の記事やソーシャルメディアの情報、登録したRSSフィード、同社のキュレーターが選んだコンテンツなどをマガジン(雑誌)感覚のインターフェースで閲覧できる。国内でも、電通グループやADKグループを通じて、日本の出版社やウェブメディアとのコンテンツ提携が進んでいる。
今回のアップデートでは、ユーザーが自由にマガジンを作成できるようになった。ユーザーは、Flipboard上で閲覧できるコンテンツに表示される「+」マークのボタンを押すことで、自分の作成したマガジンにそのコンテンツを入れて、オリジナルのマガジンを作成できる。
オリジナルのマガジンに利用できるのは、文章や写真、動画など。さらに、同日よりFlipboardのサイト上で提供されるブックマークレットを利用すれば、RSSフィードを提供する各種ウェブメディアやYouTube、Vimeo、SoundCloudなど、外部のコンテンツについてもマガジンに利用できる。音楽や動画を再生したまま、マガジンのほかのページを閲覧することもできるため、たとえば音楽フェスティバルの記事に合わせて、その音楽を視聴するといったオリジナルマガジンを作成することも可能だ。
Flipboard内のコンテンツをユーザーが自分のマガジンに追加した場合、コンテンツ提供元については画面下部に表示されるほか、コンテンツ提供元の広告も挿入される(ただし日本では現時点で広告事業を展開していない)。そのため、ユーザーがマガジンを作り、拡散すればするほどコンテンツ提供者の広告も露出する機会が増えるという。Flipboard ビジネス開発部門のバイスプレジデントであるEric Alexander氏によると、この取り組みによって、コンテンツ提供者にもマガジン作成の機能が受け入れられているという。一方で無断でコンテンツをそのまま取り込むようなことを避けるべく、RSSフィードでサマリーだけを表示するメディアなどは、そのままの仕様(RSSで概要のみ配信していれば概要のみ)を表示するという。
広告表示について、ユーザーにインセンティブを提供するといった取り組みは行わない。「最終的にはユーザーが自分の写真を掲載し、シェアすることで自分の宣伝もできる。だがそれは先の話になる」(Eric氏)
さらに、Flipboardと各種ソーシャルメディアのアカウントを連携することで、ソーシャルメディア上の友人があるコンテンツにコメントしたり、「いいね!(Facebookの場合)」したりした際の履歴も閲覧できるようになった。
また検索機能も改善し、公式なコンテンツやソーシャルメディアのフィード、ユーザーの作成したマガジンを一括で検索できるように変更した。たとえば「Shoes」と検索した場合、靴に関連する公式コンテンツやソーシャルメディア上のコンテンツ、ユーザーのマガジンなどが一括で表示される。なお、シェアされたり、ユーザーのマガジンに利用されたりする人気のコンテンツから表示されるという。
ユーザーが自身でまとめたコンテンツを公開できるようになり、ソーシャルメディア上の友人の行動なども見やすくなるなど、「ソーシャル」を軸にしたアップデートを実施したFlipboard。同社が目指すのは、“コンテントネットワーク”だとEric氏は語る。「(ユーザーが作成したマガジンを)フォローしたり、ソーシャルメディアでコメントするといった機能はあるが、単なるソーシャルネットワークだとは考えたくない。Flipboard上で友人とつながり、情報を読んでもらう。つまりソーシャルネットワークとコンテンツを組み合わせたコンテントネットワークだ」(Eric氏)
2012年9月に世界2000万人と公表していたユーザー数は、タブレットの普及や対応OSの拡大などもあり、現在世界で5000万人と2倍以上に拡大した。対応言語は15カ国語だが、利用地域を見ると160カ国にも拡大しているという。日本でも広告事業を間もなく展開する見込みだ。
なお、FlipboardはGoogleがGoogle Readerの提供終了にあわせて、サービスの乗り換えをアナウンスしているサービスの1つだ。一部では「RSSの役目が終了した」といった論調もあるが、Flipboardではどう考えているのかEric氏に尋ねたところ、次のような回答があった。「ソーシャルメディアを含めたすべてのコンテンツをFlipboardは表示することができるが、コンテンツ提供者はRSSを配信しているし、Flipboardはそれを美しくディスプレイしていくことも続けていく」(Eric氏)
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